人間を愛した喰種は優しすぎました【東京喰種&黒バス】

■８■ ページ8

貴方サイド


『・・・』


きーちゃんたち、行ったかな。

ごめんね、ちょっと疲れた。

僕は起き上がり、傷を見た。

・・・癒えてきたなぁ。

これじゃあ喰種ってばれたゃうな。

うーん、どうしようかな。


『まあ、いっか』


僕は立ち上がり、窓の外を見る。

雨が降っていた。

傘もってきてないけど大丈夫かなぁ。


『・・・雨の匂い』


僕はスンスンと鼻を鳴らす。

雨の匂い、いい匂い。

僕の好きな匂いだ。

それに、


『僕とみんなが出会った時も、雨だったね』


そう言って、僕は空に向かって笑った。


−−−−−−−−−

−−−−−

−−


((キーンコーンカーンコーン


下校の時間。

ちなみに僕は帰宅部。

本当はバスケ部のマネージャーだったけど、

あんていくのみんなとの時間も取りたいから。

やめた。


『傘・・・』


走れば大丈夫かな？

僕は空を眺めながら、いろいろ考えていた。

すると、僕の名前を呼ぶ声が聴こえた。


？「Aちゃん！」

『・・・ああ！ケン君！』


雨の所為で嗅覚や視覚が鈍り、認識するのが遅れた。

でも、たしかにケン君だった。


金「傘、ないよね？もってきたよ((へら」

『ホント⁈ありがとう！！』


ケン君があまりにも可愛く笑うので、僕も笑った。


女1「きもっ」


・・・え？

背後から聞こえたのは、クラスメイトの声。


女1「彼氏つれてきて見せびらかし？ウザっ」

女2「喰種のくせに」


あ、ダメ、ケン君に聞こえる。


『け、ケン君？行こう』

金「・・・」


ケン君は、ジィッと僕の"友達"を見ていた。

ダメ、今のケン君なら、殺しかねない。


『け、ケン君⁉行こうよ⁉』


僕が引っ張っても、ケン君はビクともしない。


金「Aちゃんも、聞こえたよね？」

『((ギクッ・・・うん』


ダメだよ、絶対ダメ。

ケン君を、許せなくなるから。


金「・・・許せない」


ケン君は、目を赤くさせ、友達を睨んだ。


『ダメっ⁉』


ケン君は、今にも殺しそうな勢いだった。

が、僕はケン君に抱きついた。


金「A、ちゃん？」

『殺さないでっ・・・お願いだから』

金「・・・」


怖かった。

ケン君を恨むことが、怖かった。


金「わかった、ごめんね」


顔を上げるとそこには、
いつもの優しい表情をしたケン君がいた。


『ううん‼ありがとう‼』


ケン君の優しい表情を見て、安心できた。

それに、嬉しかった。

僕の為に、怒ってくれたから。

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