人間を愛した喰種は優しすぎました【東京喰種&黒バス】

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アヤトサイド

腹が空いた。

だから人間を襲った。

でも、喰えなかった。


『ねーねー、学校来るー？』


そいつは喰種だったから。

共喰いに興味なんてない。

でも、なんか、美味しそうな匂いだった。

俺は目の前のそいつを見ながら考えた。

なんでこいつの名前を聞いたんだろうか、と。

食べ物を分ける。そこに引かれたんだろうか。

いや、それなら他を当たって喰えばいいだろう。

わざわざこいつについて行く必要なんてない。

じゃあ、なんで・・・。


『おーい、聞いてまーすかー？』

ア「・・・・なに」


俺の顔の前で手を振るそいつを、俺は静かに睨んだ。

でも、そいつは平気のようで。


『なにって、学校来る？』


そいつは、首を傾げながら微笑んだ。

学校？なんでんなとこ行くんだよ。

別に俺は行く必要ない。


『言っとくけど、僕の友達になったからには、そうそう人なんて殺させないからね！』


そいつはややドヤ顔で、胸を張った。

・・・人殺さないと俺ら何も喰えないじゃん。

そう心の中でツッコんだ。

こいつはホント意味不明だ。

何の根拠をもって人を殺さないんだ。


『えへへ。人間は優しいから、僕らも優しくいたいんだ』


どうやら俺は顔に出ていたらしい。

そいつは少し困りながら笑った。

優しくいる。それと人間を殺すのとでは違う。

俺らは生きるために、殺し、喰うんだ。

つまり、生きると殺しは、俺らにとって同じ。

優しくいると殺さないことは違う。

そのことを、きっとこいつは分かっていない。

ただヘラヘラと善人ぶってるだけだ。


ア「ホント、バカだなアンタ」


俺はジャージのポケットに手を入れ、罵る。

するとそいつは、ん？というような顔をした。


ア「アンタがバカだって言ってんだよ」

『いや知ってるよ？』


その言葉に、もの凄くイラついた。


ア「はあ？自覚あるんだ、バカなくせに？」

『うん、え？うん、バカだよ？え？』


そいつは顔をキョトンとさせる。

その行動に、さらに腹が立った。


ア「っこんなバカになんで俺h『バカだよ、僕はバカだよ、だからなに？』〜〜〜っ！」


言葉を遮られた俺の堪忍袋は、張り裂けた。


ア「いい加減にしろよ⁉︎」


気がつけば、俺はそいつを殴っていた。

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