人間を愛した喰種は優しすぎました【東京喰種&黒バス】

■３６■ ページ36

貴方サイド


『みんな、僕を必要としない⁉︎』


だから、みんなみんな・・・・！


『・・・僕、とってもお腹すいてるんだぁ』


ふふ、丁度いい、僕が、みんなを・・・


赤「Aっ、やめろ」

桃「いやぁ⁉︎」

紫「っ・・・いやだ、死にたくっな」

青「おい⁉︎落ち着けよ⁉︎」

緑「無駄なのだよ⁉︎逃げないと、こっちが喰われるのだよ⁉︎」


えー？逃げるのぉ？ふふ、無駄だけど。

逃げ惑うみんなに、僕は襲いかかる。


『さっさと僕に喰べられてよ⁉︎』



『うわぁぁぁあああぁ⁉︎』


僕はバッと飛び起きた。

な、なんなんだよ、今の・・・・。


『っ・・・よかったぁ』


僕はヘニャヘニャと身体を前に倒した。

よかった、夢で、よかった。


『ん・・・ここは？』


僕はゆっくり体を起こす。

辺りを見渡すと、そこはウタちゃんの部屋だった。

ウタちゃんの部屋だと分かると、頭が混乱した。

どこからどこまでが、夢だったのか。

記憶が曖昧。

でも、頭が痛かったのは、確かに覚えている。

ていうか、なんでウタちゃんの部屋？


ウ「A」

『！！』


ウタちゃんが入ってきた。

片手には、コーヒーが乗ったお盆。

僕のかな？なんて期待しちゃったりして。

ウタちゃんは、少し早足で、こちらに歩む。


ウ「気分は、どう？」


はい、とコーヒーを僕に差し出し、言った。

暖かいコーヒーは、僕の手を暖めた。


『・・・気分は、悪くないよ』


むしろ良好、と僕は続けた。


ウ「・・・よかったぁ」


ウタちゃんは、ふにゃっと笑った。

ウタちゃんの笑顔、可愛いなぁ。

僕も自然と、口元が緩んだ。


『・・・なんで、僕はここにいるの？』


と、僕の突然の質問に、
ウタちゃんは目を逸らした。


『僕、学校にいなかった？』

『僕は今まで、何をしてたの？』

『みんなは無事だよね？』


僕の質問攻めに、
ウタちゃんは僕の口を指で抑えた。


ウ「Aのお友達は無事だよ」


そう告げた。

その言葉に、涙がでそうになるが、堪えた。

よかった・・・・・ホントに、良かった。


気がつくと僕は、血が出そうなくらい、手を握っていた。

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