人間を愛した喰種は優しすぎました【東京喰種&黒バス】

■１３■ ページ13

金木サイド


『ケンくっ・・泣かないでっ・・・？』

金「・・・」


僕はAちゃんの首筋に噛み付いた。

・・・おいしい。


『(僕を喰べるつもりか、なら・・・)ねぇケン君、僕を喰べるなら、一つ、お願いするよ』


僕は噛み付いたまま横目でAちゃんを見た。

その横顔は、とても勇ましく見えた。


『みんなを、殺さないで』

金「・・・・」


僕は更にAちゃんに噛み付いた。

何故かAちゃんは、僕の頭を撫でていた。


『っ約束、だよ？・・・っあは！』


なんで、笑ってるの？

おかしい、おかしいよ⁉

そこまでして守ろうとなんて・・・


『僕、みんなが大好きだからさ。
大好きな人を、傷つけられたくないから』


・・・なんで好きでいられるんだよ。

傷つけられてるくせに。


『僕にとって、帝光中のみんなは、
ケン君にとってのヒデ君やトーカちゃんなんだ』


これケン君の受け売り、とAちゃんは笑う。

僕にとってのヒデみたいな存在。


『・・・』

金「っ⁉」


Aは突然、僕の顔を自分の身体に押し付けた。


『僕が死んで、
みんなが助かるなら、喰べて、いいよ』

金「・・・・・」


もし、ヒデに喰種だってバレたら、

僕もAちゃんみたいに、命を張れるかな？


金「うあぁっ・・ああぁあ」

『・・・？』


僕は、Aちゃんを抱きしめた。

ホント、意味が分からない。

弱いくせに、なにも、守れないくせに・・・。

命捨てるなよ・・・。

でも、そんなAちゃんだから、

僕は好きになれたんだと思う。


金「Aちゃっ・・・大好きだよぉ⁉」

『えへへ、ありがとう。僕も好きだよ』


Aちゃんの、その優しい声は、

僕を号泣させるには十分なものだった。

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• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
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