【刀剣乱舞】引き抜かれ本丸 (ページ29)

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21話ページ29

「あるじ、嵌めるようなことしてごめん...！」

「え、あっと、合うのは良くなかったのか！？叱るのならオレを叱ってくれ！蛍がこんなに真剣になるなんて、きっと何かあったんだろ？」

「.....とりあえず2人ともそこの座布団に座って、ご飯置いて」

審神者は座るよう促した。
ふた振りはおずおずと抱えていた屋台飯を机の上に置きながら座った。

「.....あるじ、やっぱり怒ってる？」

「....んーん。怒ってないよ。しょうがないって感じ。ここに居ればきっといつかほんとの顔合わせするのかなって思ったこともあるし！」

「うぅ...俺、主があの時凄く苦しかったことも知ってる。でも、やっぱり国俊とも仲良くして欲しくてぇ...」

蛍丸は、自分を怒らなかった審神者の顔をみて、安堵したのか、罪悪感からか、ぽろぽろと涙を零した。

「ほ、蛍...お前が泣いたら....オレも悲しくなるだろ...！」

泣き出した蛍丸に連鎖されるように愛染も泣き出す。2人のその姿はまるで親に叱られた後の子供の顔だった。

ーーーーー

「改めて、ここの本丸の主です。よろしくね。」

「おう！よろしくな！」

2人が握手を交わす。すると隣からお腹がなる音がした。

「...えへへ。まだ何も食べてないからお腹すいちゃった」

蛍丸が恥ずかしそうにしながらはにかんだ。

「じゃあ皆で食べよっか！あ、ちょっとまってね」

審神者はご飯を食べようとする2人を止める。

審神者が何かを念じるようなポーズをとる。すると

ドーン！ドドーン！！

「！この音は！」

審神者は部屋の障子窓をすっと開けた。

「花火だー！！」

そこに花火がとても綺麗に咲いていた。

「ふふっ、審神者は花火を出すこともできるんだよ！」

「うおぉ！祭りって感じがするぜ！！」

こうして、夏祭りの夜は過ぎていくのだった。