甘えた61 赤井ver PART2 ページ13
ーーAside
A:『…ん゛…。』
やっと仕事が終わった。
かなりの時間、同じ体勢でいたのだろう。
体のあちこちがバキバキと大きく鳴る。
夕暮れ時で赤かったはずの空は深い藍色にどっぷりと浸かっていた。
腕時計を確認すれば、数時間が経過していた。
A:『…秀一?』
さっき(数時間前)まで居た秀一が居ない。
違う部屋に移動したのだろう。
全く気付かなかった。
それにしても、秀一をかなり放置してしまった。
仕事中に何度か呼ばれたような気がするんだが…あれ、幻聴なんかじゃないなんて言わないよな…?
幻聴じゃないとすると、俺はかなり最低な奴に成り下がるんだが…。
そんなことを考えながら廊下に出て明かりのついているリビングに向かう。
もしかしたら秀一がしびれを切らして寝ているかもしれないと思い、ゆっくり入る。
A:『(あ、起きてる。)』
こちらに背を向けて酒を飲んでいる。
側まで行って肩に手を置くとようやく俺がいることに気づいたらしく、こっちを向いた。
いや、俺の顔は見ていない。下を向いている。
尚、首をぐるんと下に垂らして振り向いてきた。
普通に怖い。
それはさておき、秀一が顔を上げない。
え、振り向きながら寝た?
秀一をこっちを向かせるために両頬を手で包んだ。
頰が濡れている気がするが、気にせず上向かせた。
秀一:「………。」
A:『…何故に?』
秀一は何も言わずに泣いていた。
号泣というほど声を上げて泣いてるわけではないが、量的にはほぼ号泣と言ってもおかしくない。
ボロボロボロボロ次々に両目から流れ出てくる。
いつから泣いているのか、目は既に真っ赤になっており、今泣き止んでも確実に腫れるだろう。
…酒くさい。酔ってるな。
酒の力で何かのタガが外れて際限なく泣いているようだ。
赤井:「…た。」
A:『ん?』
俺の目を逸らさずに泣きながら何かを言う。
小さな声で聞こえない。
赤井:「…ゃっと、こっち見た…。」
やっと…ということは、俺は何度も秀一の声をこんなになるまで意図せず無視し続けたという事で…あ゛ぁ゛…。
やってしまった…。幻聴じゃなかったのか…。
A:『すまない。全くもって気付かなかった。』
赤井:「無視しないでくれ…。」
A:『わかった。』
寂しい思いをさせた分、嫌という程甘やかそう。
ーーーーーーーーーー
終わったぁ…これで良かったですかね?
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Kaho(プロフ) - 続き更新されないんですか、、 (2022年12月3日 20時) (レス) @page27 id: 153df11488 (このIDを非表示/違反報告)
いちご仮面(プロフ) - ミライさん» そんなに喜んでいただけるだなんて…!こちらこそありがとうございます!とってもうれしいです!! (2020年1月17日 6時) (レス) id: 4c5477e517 (このIDを非表示/違反報告)
ミライ - 画面越しにうっすら私のにやけた顔が見えました!作者さん相変わらず神です本当にありがとうございました!あ、長文失礼致しました! (2020年1月6日 19時) (携帯から) (レス) id: dda611501a (このIDを非表示/違反報告)
ミライ - 返信がお正月明けになってしまい大っ変申し訳ございませんでしたァァァァァァ!!!(スライディング土下座)そしてリクエスト書いてくださってありがとうございました!!沖矢さんの「ねぇ…」が…、沖矢さんが……!っ尊いィィィィィィィィ!!! (2020年1月6日 19時) (携帯から) (レス) id: dda611501a (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - はい!そうです〜 (2019年12月23日 10時) (レス) id: 5e6c663fd7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちご仮面 | 作成日時:2018年9月8日 15時