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｢おはよう｣
朝。と言っても10時。
いつものようにスペアの鍵で彼の家に入る。
メンバーの声はしなく今日は撮影がない日ってことを思い出す。代わりにするのは薄く漂う甘い香水の臭い。
あぁ、この臭い。
突っつくような鋭い臭いに鼻を竦める。
最近になってから知らない臭いがこの部屋の中を彷徨うようになった。
メンバーの香水でないのは確かだ。
付き合い、もうすぐで3年が経つ私たち。
リスナーさんにはバレていなく、知られているとしても極めて極一部だろう。
メンバー達には付き合い始めた頃から報告はしていた。ほとんどのメンバーとは中・高からの関わりがあり、そのお陰か むしろ大歓迎！やっぱりくっついたか〜！ などとおめでとうとは少し変わったいい反応を貰えた。
たがここ最近。
もともと出会い系など女遊びをしていたのは知っていたがこんなにも堂々とされるとは思っていなかった。
付き合ってからは無論初めてだった。
どのくらい近くにいたら、どのくらいの間一緒に居たらこんなに臭いがつくのだろう。
思いたくなくても、考えたくなくても頭の中はその事ばかり。
夜会う時間も連絡を取るのも少なくなっているのはそのせいか。
他に女がいるのに、彼は私に好きって言う。
私がいるのに、他の女と関係を持つ。
毎晩彼は、知らない女に好きを、愛をばらまく。
そう考えてしまって仕方がない。
やめだやめだ、考えるのやめよう。
そう自分に言い聞かせ、リビングにあるオレンジのソファに腰を下ろす。
｢ぞーしくんおはよう、早いんだね｣
『Aちゃんおはよう。てつやが遅いだけだよ』
優しく笑いながらコーヒーを飲むぞーしくん。
そして一瞬、彼は顔をしかめた。
『元気、ない感じだね』
｢そうかな？｣
すぐ表情にでる私の悪い癖。治ったと思ってたのに。
『てつや、7時に帰ってきた』
｢そっか、｣
『いいの？このままで』
｢良くは、ないよね｣
私の気持ち、全部見透かされてるみたい。
ぞーしくんは何を思ってるんだろう。
てつやのこと、だらしないとか思ってるのかな？
それとも私のこと？
コーヒーを置き、リセッシュ片手に窓を開けるぞーしくんに
｢もうね、決めたの｣
乾いた笑みを浮かべそう言うと
彼は頷くだけだった。
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ゆるり。(プロフ) - 内容、書き方、言葉選びなどどれをとっても凄く好みで…ブルーな時に更新するということなので良いのか悪いのかはさておき(笑)、続きも楽しみに待っています>< コメント失礼しました！ (2018年10月5日 1時) (
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作者名：おおの | 作成日時：2018年9月30日 3時
