午 前 零 時 【S,en,ra】

結 ページ11

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すっと後ろを向き、踵を返した



引き止めて欲しい

私は最初に告げられた時、無理矢理でも引き止めた
でも彼は引き止めてくれない

これか私と彼の差で重くのしかかる



店を出てから、ちょっとして
どんどん溢れていく


愛してる。好き。嫌わないで。


もう何を言っても取り返せなくて
私の最低さも、弱さも、醜さも
全てが、悲しかった


走馬灯というのだろうか
今まで付き合っていた時期の思い出が
初期から最近まで流れていく


最初出会ったのは、会社で
世にいう、オフィスラブ
先輩、後輩の関係だった



はっきり話そう当時、仲良くはなかった
むしろライバルのように
張り合っていたこともあった

課長に指示された書類を彼が先に終わらすと
ドヤ顔でこっちを向いてきたり
お疲れ様ですと出されたコーヒーには
砂糖ではなく塩が大量に入っていたこともある


いつからか、席が隣になり
休むと悲しくなったり
課長や他の会社員へ誕プレを買う時に
一緒に選んでくれたり

告白されたり。
嫉妬したりされたり。
喧嘩したり。



いっぱいあった。
そして全てが愛しかった。





「 ｯA！まって 」




こうやって腕をひかれて
引き止めてくれたこともあった
腕をひかれて強引なキス

好きだったな
今でも記憶にこびりついてる




だから私は＿＿＿＿＿＿＿








記憶に遺るようなキスを彼に返した







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真夜中の雨、かあ


冷たいし寒い


でも、涙も流してくれた


ああ、そういや、あの日も雨だった


雨は気が利く、とはよくいったものだ


悲劇も喜劇も隠してくれた


きっと、また 次に喧嘩するのも雨だろう


そして、悲劇を隠してくれ







＿fin＿

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