case 250 ページ10
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「俺、行くわ。」
『うん……。』
そう言って充は席を立った。
扉に手をかけて……
「A……」
『ん？』
「太輔と…………いや、何でもない。
じゃあな。」
『……バイバイ。』
私の言葉に、一瞬だけ動きを止めて……
そのまま出ていった。
少しだけ……心に鈍い痛みが走る。
太輔さんにお礼を言わないとな……。
こんな風に充と話が出来たのは、
太輔さんのおかげ。
あの夜、無理矢理にでも
泣かせてくれた太輔さんがいなかったら……
充と向き合うことなんて……
出来そうもなかった。
「Aっ!!」
ぼんやりと考えていたら、
個室の扉が勢いよく開いた。
『宏？』
「大丈夫か……？」
座ったままの私の頭に
宏の手が乗せられて視線が合う。
『もしかして、待っててくれたの？』
「とりあえず、行くぞ。」
私の問いには答えず宏が私の手を掴む。
『え？何処に？』
「いいから。」
そのまま、宏は何も言わずに歩き出す。
カウンターを通り過ぎる時、
柊さんは微笑みながら私に
ヒラヒラと手を振った。
店を出ても、
宏は手を離してはくれなくて。
『宏、手。』
「ん？嫌？」
『そうじゃなくて、バレたら……。』
「暗いし、わかんねぇって。」
『ダメだって。』
「いいからいいから。」
そんな押し問答をしている間に
近所にある小さな公園に入って
宏は手を離した。
『宏？』
「これ、やろうぜ？」
宏がバッグから取り出したのは……
季節外れの花火だった。
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とーか(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさーん♪こちらにもコメントありがとうございますー(*´∀`)♪このシーン、切ないですよね…。私も書きながら凄く切なくなっていたのを覚えてます(笑) (2020年5月26日 17時) (
レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 楽しく読ませて頂いてます。みっくんとくっついて欲しかったので、海へ行くシーン、涙涙でした。切ないですね。 (2020年5月25日 4時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - checkmateuknowさん» 宏を思うと、未だに切ない……(T-T)でも太輔さんに甘ーく迫られたいっ(///ω///)♪ (2016年8月18日 12時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - canちゃんさん» ホントにやっとです(笑)太輔さんの溢れる色気にいつもヤられますよね(///∇///)もう溺れて沈みたいーヘ(≧▽≦ヘ)♪ (2016年8月18日 12時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
checkmateuknow(プロフ) - 太輔さんに溺れるぅぅう…そして宏くんも良い男なんだけど…ほんと甘い展開ありがとうございます！ (2016年8月17日 23時) (レス) id: a1962b3230 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とーか
| 作成日時：2016年7月26日 16時
