Masquerade 6

case 276 ページ48

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「A、そわそわしすぎ(笑)」









そう言って、

柊さんがジントニックを差し出す。









隣のイスには、

あの日に渡せなかった太輔さんへの

誕生日プレゼントと……

ピンクでラッピングされたガトーショコラ。









『だって……////』









さっき、そろそろ着くと

太輔さんから連絡があった。









私は人生初の告白を前に

色々と限界だった。









『ちょ、ホント、心臓痛い……。』









「お前、酒はとりあえずその一杯でやめとけ。」









『ええ!?ちょっと景気づけにさぁ？』









「ダメだ。酒に逃げてんじゃねぇ(笑)」









『う"……。』









「向き合うって決めたんだろ？」









『そうだけど……』









頭から煙が出そうだ……。









わけわかんなくなってる。









太輔さんが好き。



それはもう間違いない。









でもさ、太輔さんはみんなの太陽で、

あんなに色んな人がら愛されて……。









テレビで見ても、すっごい格好よくて……。









いや、これはダメなやつだ。









そんな人に、告白とか無理だ。









うん、無理無理。









これ、やっぱやめとく？









その方がよくない？









「おい、百面相。」









『え？』









「どうせ、

ろくでもないこと考えてんだろ？」









『ろくでもないって……(笑)』









「告白とか無理だーって。」









『あ、いや、え!?』









「わっかりやすー(笑)」









『もう!!柊さんっ!!私は本気でっ!!』









「わーったよ(笑)

じゃあ、とりあえず目を閉じろ。」









『え？』









「いいから。」









私は、柊さんに言われた通りに

目を閉じた。









真っ暗な視界の中で柊さんの声が響く。









「深呼吸してみろ。」









大きく息を吸って、ゆっくりと吐く。









「言葉にしなきゃ、想いは伝わらない。

正直にAの気持ち、言葉にしてみ？」









『私は……太輔さんが、好き。』









言葉にしたら、ひどくスッキリした。









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「今の、ホント……？」

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