Masquerade 6

case 243 ページ3

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『あ、あの、バスタオルと新しい歯ブラシ、

ここに置いておきますね。』









見ない。









「ありがと。」









水音に混ざって太輔さんの声が反響する。









見ない見ない。









『太輔さん、甘いもの好きですか？』









見ない見ない見ない。









「うん、大好き。」









磨りガラスの向こう側の

太輔さんのシルエット。









流れる水の音。









太輔さんがポツリと漏らした言葉が

きっかけで今の状況。









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「家に帰ってる時間ないなぁ……。」









.









!?









これ、私のせいだよね？









仕事に行くのに、そんなことさせられない。









『良ければ家でシャワー浴びます？』









「は!?」









『え？仕事ですよね？』









「はぁ……」









太輔さんが少し呆れた顔をして

溜め息を吐いた。









「Aさ……昨日の今日だから

仕方ないかもしれないけど……」









グイッ









え!?









反転する世界。









視界には、太輔さんと天井……。









私はソファに押し倒されていた。









「俺の事、安全な男だと思ってる？」









っ……////









近い近い近いっ////









時間の経過で薄くなってはいるものの、

それでもこの距離なら香る太輔さんの香水。









『いや、あの……』









「密室、二人きり、シャワー……

これだけ揃って何もないなんてこと、









.









次はないよ？」









甘い声が至近距離で響いて。









私の額にキスをして太輔さんは離れた。









『……////』









「じゃあ、借りるわ。バスルーム何処？」









『あ、えっと……そこです……』









まだ心臓がドキ ドキいってる私を置いて、

太輔さんはバスルームに消えた。

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