Masquerade 6

case 251 ページ11

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「Aっ!!めっちゃキレー♪」









音を立てて弾ける手持ち花火を

振り回す宏。









ホント、何度思ったかわからないけど……

子供か(笑)

自由か(笑)









『あぶないよ(笑)』









「ほら、Aも早くっ!!」









そう言って花火を促す。









花火なんて、何年ぶりかわからないな……。









私が手に持った花火に

宏が花火を近付ける。









「俺が、元気をわけてやるよ。」









『元気？』









「そう、炎の元気。」









『何それ(笑)』









くるんと大きな瞳をキラキラさせて。









私の花火にも火が着いて、

花火の光と煙越しに宏と視線が合った。









柔らかに甘やかに宏が微笑む。









ああ……そっか……。









もしかして……慰めてくれてるの……？









煙と火花と宏の優しい瞳が

夜の闇に浮かんで。









違う……労ってくれてるんだ……。









頑張った私を、宏らしいやり方で

甘やかしてくれようとしてるんだ……。









10月の秋の気配を内包した風が、

緩く頬を撫でる。









私は宏につられて一緒にはしゃいだ。









両手に花火を持って振り回す。









『ねぇ宏っ♪すっごい綺麗っ♪』









「おまっ!!こっち向けんなっ!!(笑)」









『えー？(笑)』









「危ねぇって(笑)」









私も宏のことは言えない。









だって楽しくて……子供みたいに。









いい大人が二人揃って

ケラケラと笑いながら花火に興じる。









それはそれはシュールな

絵面だろうな(笑)

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