Masquerade 3

case 129 ページ31

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宏も……抱えてるんだな……。









太輔さんより、宏の方が器用だし

隠すのも上手い。









でも、そんな宏でも

やっぱりキツい時はキツいんだろうな。









……でも、宏の性格を考えると、

無理に暴いちゃいけない……よね。









“男はこうあるべき”を誰よりも強く

持ってる宏は、弱さを見せることを

嫌う気がする。









「はい、お待たせ。」









シャンパンクーラーに入れたシャンパンと

フルートグラスを二つ。









『柊さんのグラスは？』









「俺にもゴチってくれんの？」









「柊さんも一緒に飲もうよ。」









フルートグラスに注がれる

ゴールドの液体。









気泡が揺れて、

浮上して、

弾ける。









そういえば、

充……シャンパン……好きだったな……。









何かにつけてシャンパンを買ってきて、

二人で飲んだ。









ーいいもん、買ってきたー









そう言って持ってきたフルートグラスは……

棚の奥で眠ってる。









『泡となって消えた想いは、

どうなるのかな……。』









子供の頃に読んだ童話で、

恋に破れた姫は泡となって消える話を

急に思い出した。









「「は？」」









二人が一斉にこちらを向いた。

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