Masquerade 3

case 126 ページ28

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『いつも、

ありがとうございます藤ヶ谷様。』









いつものように商品をお渡しすると、

藤ヶ谷様がジッと私を見た。









え？




何？









「ねぇ、Aちゃん。」









『はい？』









「その呼び方、やめない？」









呼び方？









藤ヶ谷様の瞳が揺れる。









その瞳は、少しだけ切なそうにも見えた。






何で？









『呼び方……でございますか？』









「そう“藤ヶ谷様”ってヤツ。」









いやいや、お客様をどう呼べと？









『ですが……

他に何とお呼びすればいいか……。』









「“太輔”」









『太輔様ですか？』









「ぷっ。それ、何か卑猥(笑)」









卑猥っ!?


何で!?









「お帰りなさいませ、

ご主人様……みたい(笑)」








は!?





嘘!?





メイド!?





そんなとこに繋がるの!?









「ただの“太輔”……ね？」









ちょっ……////









いたずらっ子みたいな顔して

藤ヶ谷様が笑う。









そんな“ね？”とか小首を傾げたって

無理ですってばっ!!

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