Masquerade 3

case 101 ページ3

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「河村さん、さっき男性の方から

出勤してるか確認の電話あったよ。」









ドキッ









『あ、はい。』









たぶん……藤ヶ谷様だよね。









今日、いらっしゃるんだ……。









やっぱり5月は毎年来てくださってる。









……一応、買うは買った。









以前いただいたバスソルトに

よく似た香りのアロマキャンドル。









大したものじゃない方がいいはずだよね。









消えて無くなる物が基本だ。









でもさ、ホントに渡す？









そんなことを考えていると、

お店の入口に現れるシルエット。









私、何か……センサーでも付いてる？









藤ヶ谷様なら、すぐにわかる。









『こんにちは、藤ヶ谷様。

お体の具合はいかがですか？』









「こんにちは。もう大丈夫だよ？

この前はごめんね。」









ニコッて笑う藤ヶ谷様の顔色は、

先日よりもずっといい。









笑顔も、作られたものじゃない。









ああ、良かった。









『いえいえ、体調も戻られたみたいで

安心いたしました。』









「Aちゃんのおかけだね。」









『いえ、私は何もしておりませんよ。

横尾さんに感謝ですね。』









「ああ、渉にも世話になっちゃったけど、

Aちゃんが

何もしてないわけじゃないでしょ？」









『あ、はい……まぁそうですね。』









と言っても、VIPルームに寝かせて

冷却シートを貼っただけだけど……









ーもう少しだけ……このままー









っ……////








藤ヶ谷様は、覚えていらっしゃる？









ああ、ダメダメ。




集中。

集中。









「だから、Aちゃんにも

ありがとう。」









『いえいえ、お元気になられて

何よりです。』









「Aちゃんが

寝る場所を提供してくたおかげと、

渉のお粥のおかげ。」









『横尾さん、料理なさるんですか？』









「渉の料理、すごい美味いよ。」









藤ヶ谷様は、横尾さんの話をされる時は

ホントにキラキラされてる。

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