Masquerade 3

case 111 ページ13

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「Aさ……たいぴーと何かあるの？」









『っ!?』









久しぶりにお昼休憩が一緒になった雅が、

フォークにパスタを絡ませながら言った。









何か？……あるの？









いや、わかんない。









あるの？

ないの？









あれをどう表現したらいいかなんて……

私が知りたい。









「A？」









『……わかんない。』









「この前さ、わったーの誕プレ

買いにきたじゃん？」









わったー……は、横尾さんだよね？









『うん。』









「店の入口の外で商品をお渡ししてた時さ、

何か……空気？みたいなのが

ちょっと違ってて……」









『……うん。』









雅の言ってることは何となくわかる。









あの時は、私だって何かが違って感じた。









「何か……甘かったよね？」









甘かった……の？









『よく……わからないんだ……。

藤ヶ谷様が何を考えているのか……。』









藤ヶ谷様は、

いつも何処か苦しそうで、

いつも何かを我慢してるように見える。









初めて会った頃の、

ホストのような見た目をしていた頃の、

無邪気な笑顔の藤ヶ谷様は

もう随分と見てない。









あ……熱を出して寝ていたあの時……

久しぶり見たっけ……。









「Aさ……たいぴー、好きなの？」









好き？

お客様としは、好き。

人としても素敵な人だとも思う。









男として……は……









『わかんない……。』









わかりたく……ない。

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