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全身に響き渡る甘すぎる疼き。
それは、どうしようもないほどに。
深く。
熱く。
甘く。
引き摺り込む。
快楽の坩堝──────……。
「やべっ、っ……持ってかれそうっ、……」
「ひぁっ、んんぁ!!!、っあんっ、……」
宏光が、何かを言ってる。
でもわからない。
もう、言葉を頭が認識しない。
快感に瞳を歪ませながら、宏光は押し付けては震わせる動きを繰り返す。
その度に、私の身体は弓なりにしなって。
何かが身体の奥から迫り上がってくる。
「ああっ、ダメっ、ダメっ、!!!……やあっ、んんぁ!!!」
眩暈がしそうなほどの愉悦の波が私を襲う。
もちろん、いつでも熱くて宏光は私を翻弄していたけれど。
これは、いつもと違う。
「くっ、……っ……」
瞳を歪ませ眉を顰めて、宏光はゆっくりと身体を起こした。
熱を逃がすように細く長く吐息を漏らしながら、男の証をギリギリまで引き抜いて。
汗で額に張り付いた前髪を掻き上げるようにしながら、熱と欲を孕んだ瞳が私を射抜く。
何もかもを溶かしてしまいそうな熱。
例えるならそれは───……
紅蓮の瞳。
仏教では極楽浄土に咲き乱れると言われる水中花である
その蓮の中で、深紅に色付いた華────紅蓮。
赤をその背に負う宏光に良く似合う、燃えるような瞳。
その瞳は、何もかもを溶かし尽くすだろう。
前髪を掻き上げた掌が、ゆっくりと私の下腹辺りを撫でた。
ぴくんっと肩が揺れるのは、先程の余韻が身体中に響いているから。
「っ、お前の、全部が、俺のに、っ……なった感じっ、……っつーか、締めすぎっ……」
びくんっ、びくんっ、と響く余韻に未だ肩を震わせながら、私は首を縦に振った。
全部、宏光のだ。
身体も───────────心も。
こんなのは、知らない。
目眩くような。
そんな私を見て、宏光はやけに嬉しそうに口角を引き上げる。
アイスドールにならなければ傍にはいられないと思っていた宏光。
氷が溶けても。
それでも。
宏光を求めるように首に、そうして背に回した腕に力を込める。
「くっ……A……」
「んぁっ、ぁ……ああぁ、あっ……!!!、そこ、やっ……」
ぐい、と腰を押しつけて宏光が私のナカを更に蹂躙する。
身体を震わせて声を上げて、私は僅かに首を振って訴える。
「あ、ああっ!!!、んや、やぁっ……ぁ、あっ……」
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とーか(プロフ) - にかみつばさん» 言葉にしてくださることが、また更に嬉しいです♪私は、みっくんにも少し狡くて不器用なところがあるだろうなって実は思ってまして…Masqueradeの宏があまりにも格好よすぎたので、違う彼を描いてみたかったのも本音です(笑)コメントありがとうございました♪ (2020年5月28日 12時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - にかみつばさん» にかみつばさーん♪一つ一つに丁寧にコメントくださってありがとうございますー♪そういう率直な感想とても嬉しいです(*´∀`)♪もちろん、好みだと言ってくださるコメントも嬉しいのですが、自分の中の彼は自分が感じるものなので色んな彼がいて当たり前で、それを (2020年5月28日 12時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 1人の人を一途に愛する、優しい優しい北山くんで、読んで良かったなと思いました。シリーズで続きを書いて下さりありがとうございました。またとーかさんの作品を読めることを楽しみにしています。長々と失礼いたしました。 (2020年5月28日 2時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
にかみつば(プロフ) - 兄組話、Masqueradeの北山さんが好きでこちらも読ませて頂きました。正直私の想像する北山さんと違いすぎてイメージや感情移入しずらく途中で断念してしまってました。でもとーかさんの作品だしどうしても気になりラストまで読ませて貰いました。 (2020年5月28日 2時) (レス) id: 74d56dba5b (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - ふみさん» お姉……。ああ、もう他の人とは違う目線でニヤニヤしてるのが目に浮かぶわぁ……┐(´д`)┌やめれ。生暖かい目で見んなーっ!!!(笑) (2019年9月9日 20時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とーか | 作成日時:2019年8月24日 12時