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『ミツっ!!ミツっ!!』
叫ぶように呼び掛けても、
その瞳は開かれることはなくて。
ヒューヒューと
ひどく嫌な音を立てながら
浅い呼吸を繰り返す。
『ミツっ!!ねぇ、ミツっ!!』
ざわりと嫌な感覚が這い回る。
私の声に周りがざわめき出すも、
もうそれどころじゃない。
どうして!?
何で!?
ミツっ──────!!
嫌だ、何!?
何なの!?
「A、動かさない方がいいっ!!」
裕太の声にそちらを向けば、
裕太は白い顔を更に青白くさせて。
「電話っ!!あの名刺っ!!」
ー俺の緊急連絡先。
俺に何かあったら、そこに電話してー
あの日のミツの声が蘇る。
裕太は、震える手で
携帯と名刺を取り出して。
番号をタップする間も、
ミツの嫌な呼吸音が続く。
嫌っ!!
やだよ、ミツっ!!
力一杯にミツを抱き締めて。
『ミツっ!!ミツっ!!』
私は恐怖に陥った。
余りにも平凡に生きてきた私には、
目の前で人が倒れた経験がない。
心の底が冷える。
手が、肩が、ぶるぶると震える。
大切なものが、
さらさらと指の間を擦り抜けて
零れ落ちていく感覚。
怖いっ────……
カシャンッと
プラスチックの高い音が響いて、
私の目の前に転がる携帯電話。
見ると、裕太の手も震えて。
「あ、ごめんっ……」
その携帯を拾い上げると、
既にコールが始まっていた。
耳に当てれば、響くコール音。
プツ。
繋がった──────。
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「はい。宮田医院です。」
人の良さそうな声が響いた──────。
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紗羅(プロフ) - お久しぶりです。 以前メッセージを送らせて頂いたものです。とーかさんの作品が読みたくなり読ませて頂きました。初めて前作を読んだ時から言葉運びやお話の展開がすごく好きで心打たれたのを覚えています。忙しいかと思いますが更新待ってます頑張ってください (2018年9月11日 5時) (レス) id: b997b450ae (このIDを非表示/違反報告)
憂(プロフ) - はじめまして。前作から一気に読ませて頂きました、、!とーかさんの文章はすごく綺麗で読んでいてすごく面白いです。続きがとても楽しみです!更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2018年8月10日 0時) (レス) id: 4a7e4f83bf (このIDを非表示/違反報告)
まい - とーかさんのファンになりました!とーかさんの書く小説文章がキレイで、読んでいて幸せな気持ちになったりキュンとしたり。。。続きがとても楽しみです♪更新楽しみにしています☆ (2018年5月31日 18時) (レス) id: 150ba412d9 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 一章から一気に読みました…!前作も1日で読みきりました。とーかさんの文章は胸が抉られ苦しく締められますが、なによりもとても綺麗です。涙が止まらないほど悲しかなりますが、その中にある温かさを感じ、じーーーんとします。更新頑張ってください!!! (2018年5月26日 23時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
りなみつ(プロフ) - 一章から一気に読んでしまうほどおもしろかったです!太輔と別れるシーンではぼろぼろと涙が止まりませんでした。トーカさんのお話これからも楽しみに待ってます! (2018年4月17日 10時) (レス) id: c8036a53c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とーか | 作成日時:2017年10月17日 17時