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before the melody 2-132 ページ4

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心の中で、二階堂さんの

あの弾けるような満面の笑みが浮かぶ。









『二階堂さん、また個展やってるんですか?』









「あ、そうか。

Aちゃん、会ってるんだっけ?」









『はい。

前回、透さんに連れていってもらいました。』









「じゃあ、今回も

暇があったら行ってあげて?」









そう言って渡された緑色のビラには、

やっぱり想像通りの満面の笑みで

二階堂さんが写っていた。









「ソイツ、透さんの弟だっけ?」









私が持っているビラを

裕太が横から覗き込む。









『そうだよ。』









「A、明日オフだよね?」









『うん。裕太は朝から雑誌の取材だっけ?』









「うん、でも昼には終わるよ?」









『…………。』




「…………。」









そこから裕太は、

何も言わずに私をジッと見る。









ん?



えっと……。



これは……。









『明日、一緒に行く?』









「行くっ!!」









間髪入れず答える裕太に

垂れた耳とぶんぶん振ってる尻尾が

見える気がして思わず笑ってしまう。









「ガヤはー?」









あ……。









私と太輔の間にあったことを

知らない裕太が、

振り向いて太輔に声をかける。









少し気不味い思いにかられた私に、

柔らかく太輔が笑って。









「俺、明日撮影だわ。

夜、3人で一緒に飯食おう。」









"3人で"の言葉に、太輔の気遣いを感じた。

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紗羅(プロフ) - お久しぶりです。 以前メッセージを送らせて頂いたものです。とーかさんの作品が読みたくなり読ませて頂きました。初めて前作を読んだ時から言葉運びやお話の展開がすごく好きで心打たれたのを覚えています。忙しいかと思いますが更新待ってます頑張ってください (2018年9月11日 5時) (レス) id: b997b450ae (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - はじめまして。前作から一気に読ませて頂きました、、!とーかさんの文章はすごく綺麗で読んでいてすごく面白いです。続きがとても楽しみです!更新楽しみにしてます!頑張ってください!! (2018年8月10日 0時) (レス) id: 4a7e4f83bf (このIDを非表示/違反報告)
まい - とーかさんのファンになりました!とーかさんの書く小説文章がキレイで、読んでいて幸せな気持ちになったりキュンとしたり。。。続きがとても楽しみです♪更新楽しみにしています☆ (2018年5月31日 18時) (レス) id: 150ba412d9 (このIDを非表示/違反報告)
はじめ - 一章から一気に読みました…!前作も1日で読みきりました。とーかさんの文章は胸が抉られ苦しく締められますが、なによりもとても綺麗です。涙が止まらないほど悲しかなりますが、その中にある温かさを感じ、じーーーんとします。更新頑張ってください!!! (2018年5月26日 23時) (レス) id: e3f41243e4 (このIDを非表示/違反報告)
りなみつ(プロフ) - 一章から一気に読んでしまうほどおもしろかったです!太輔と別れるシーンではぼろぼろと涙が止まりませんでした。トーカさんのお話これからも楽しみに待ってます! (2018年4月17日 10時) (レス) id: c8036a53c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とーか | 作成日時:2017年10月17日 17時

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