Eclipse 7

before the melody 2-154 ページ26

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「ねぇ、A……」









『ん……？』









「今、幸せ……？」









思案の海に沈んでいた私にかかる裕太の声。









視線を合わせると、

その瞳にはいつになく真剣な色を宿して。









少しだけ切羽詰まったような表情。









裕太は要所要所で私にそれを聞くね。









これに何の意味があるのかは

わからないけれど、恐らくは

私の幸せを望んでくれているのだと思うと、

少しだけ泣けてくる。









温かくて優しい裕太。









そんな裕太にこんな顔をさせて……。









今は……色んなことが一気に起こりすぎて、

幸せだなんてとても言えない。









でも、この今を招いたのは間違いなく私で。









私が不幸せだなんて言える立場じゃない。









『うん……たぶん……。』









私の言葉に裕太の表情は更に歪む。









私の嘘を見抜いている顔だ。









それでも、言えるわけがない。









「A……。」









『大丈夫だよ、私は……。』









これが精一杯の強がりでも、

痛いのは私じゃない。









苦しいのは私じゃない。









ミツや太輔の方が余程。









「Aちゃん、玉森くん、

俺キタミツを送っていくけど？」









バタバタと音を立てながら

宮田さんが走ってきた。









『私も行きます。』









「A!?」









裕太の声が響いて私の腕を取った。









「確かにミツは心配だけど、

俺達が行っても何も出来ない。

ここは、宮田先生に任せよう？

ガヤもワッターもここに向かってるから。」









『どうして？

太輔も渉さんもミツの家に

来てもらえばいいじゃない？

あんなミツを放っておけないよ。』









「Aっ!!頼むからっ!!」









痛いほどに、私の腕を掴む

裕太の手の力が増した。

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