Eclipse 7

before the melody 2-147 ページ19

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「俺……何で……」









『倒れたの。二階堂さんの写真展の会場で。』









「ああ……そっか……」









再び閉じた瞼をゆるゆると持ち上げて。









ミツは宙を見つめて、

ゆっくりと身体を起こした。









『ミツ？大丈夫？』









「ああ……。」









ミツは、両手で顔を覆い、

深く溜め息を吐いた。









その音は、ひどく重い。









『ミツ？』









「何か……いつも、お前がいんのな……」









『え？』









「俺の、見せたくねぇとこ……

いつも見られてる気がするわ……」









その手は、微かに震えて。









『……ミツ……？』









「いいよ。」









『え？』









「聞きたいこと、あんだろ？

答えてやるよ？」









『…………。』









ミツの事を、知りたいと思ってた。

ずっと。









でも。

それよりも今は。









『ミツは……

どうして、独りでいようとするの……？』









「!?」









ミツの目が、驚きに見開かれて。









その瞳に哀しくなる。









そこに、変わらず闇が鎮座して。









『誰も彼もがミツを案じているのに……

どうして……？』









独りで闇に沈むこの人に、

それを知ってほしかった。









「…………二階堂の写真展……見たか……？」









『え？あ、ああ、見てない。

入り口でミツが倒れたから。』









「正面にあった写真は……？」









正面の写真？

あの、赤いニットを纏った……









『女の人？』









「見たのか……」









『うん……』









ミツの声は、少しだけ震えて。









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「あれ……俺の奥さん……」

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