Eclipse 7

before the melody 2-130 ページ2

.



音が響く。









空へ抜ける太輔の音。









地を這うミツの音。









そして、自由気ままに

跳び跳ねるようになった裕太の音。









ああ、楽しい。









ミディアムテンポの

メロウなサウンドが私を取り巻いて。









決して激しい曲じゃないのに、

ロックで、メロディアスな。









あの日、初めてミツと音を合わせたあの日に

私が作った曲。









その時は、もっと単調だったのに、

ミツと太輔の手にかかって

驚くほど艶のある曲に変貌を遂げた。









──────FEEL。









新生xLunaSxの記念すべき1枚目。









もちろんクレジットはxLunaSx名義。









そしてついに、デビュー曲の

"TONIGHT"の名義もxLunaSxで統一された。









太輔のギターに、ミツの音が絡む。









ゾクゾクするほどの色気を纏った音。









生放送のカメラがミツを抜く。









見てほしい。




聞いてほしい。




そして、感じてほしい。









ミツは、ただの穴埋めじゃない。









私に向かって放たれる生の音。









太輔とミツと裕太と渉さん。



混ざって溶けて、

えもいわれぬ妖しさを醸す音を。









それは、極上のロック。









そして────新生xLunaSxの真髄。









とろけるほどに甘く、

苦しくなるほど切ない音の饗宴。









.









.









この音に触れたら───もう、戻れない。

before the melody 2-131→←before the melody 2-129

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す