検索窓
今日:4 hit、昨日:14 hit、合計:121,832 hit

before the melody 3-17 ページ41

.



「悪い、遅くなった。」









寒そうに身を縮こませながら

透さんが太輔のマンションに現れたのは

もう夜も遅い時間だった。









「ん、待ってた。」









「悪い。裕太と話してたから。」









『裕太、納得したの?』









「まぁ…一応は……」









透さんは、少しだけ苦い顔をした。









それでも、私を見て優しげに微笑む。









この笑顔に、ずっと守られてきた。









私達は、透さんにずっと守られてきたんだ。









「こんな形になって、ごめん……な。」









ひどく辛そうに言葉を選ぶ透さんを見ていたら

もう私は何も言えなかった。









「透さん……xLunaSxは…「待てよ。」









太輔の言いかけた言葉を

遮って透さんは目を閉じた。









そして、二、三度深く呼吸して。









「一人、俺の代わりを任せたい奴がいる。」









「!?」









『ミツ……って人?』









「……ああ。」









「……TONIGHTのアレンジした奴か……。」









太輔の瞳に複雑な色が宿る。









わかる気がする。









あの才能は。









太輔の曲のイメージを残したままに

考えもしない方向へと

曲を膨らませた天賦の才。









透さんがいなくなったxLunaSxは……。









羅針盤を欠いて

上手く前には進めなくなった船のようだ。









でも、もしも……あの彼なら……。









そう思って、そして同時に恐怖も感じた。

before the melody 3-18→←before the melody 3-16



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (192 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
361人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

とーか(プロフ) - lapisさん» 後で片付けるのが面倒なので、やっぱりやめておきましょう(笑)さてさて、lapisさん知ってるじゃないですか(笑)私、彼の憂い顔が大好きなんですよね(笑)逆境なんて、大したことないはずです、彼は(笑) (2017年4月17日 13時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
lapis(プロフ) - とーかさん» 人様に迷惑かけない自室なら…まぁ…ありじゃないですか(笑)?…レッドが入る為には仕方ないのはわかるんですけどね…でも、これ…後から加入するレッド…かなりしんどいですよねぇ…とーかさん、愛ゆえにレッドに逆境を与えているのですか(苦)? (2017年4月13日 19時) (レス) id: d69b317122 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - canちゃんさん» こらこら(笑)ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!ってお化けじゃないんだから(笑)ついにお待ちかねのレッド登場ですよ(笑) (2017年4月13日 19時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - lapisさん» いやー……大人として、物に当たるのはダメですよ(笑)ですねー…脱退とか加入とか、もう苦しくなっちゃうんですけどね。。。でも、これもレッドのため(笑)心、鬼にして頑張りますp(^-^)q (2017年4月13日 19時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - しらすさん» しらすさん、いつもありがとうございまーす(*≧∀≦*)ついに来ましたレッドのターン(笑)もう、本当にお待たせしましたーm(__)mついに物語が動き始めます(*`・ω・)ゞ (2017年4月13日 19時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:とーか | 作成日時:2017年2月13日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。