before the melody 3-14 ページ38
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「……どう、いうこと……?」
声を出せたのは、太輔だけだった。
裕太は、声も出なかった。
渉さんは、ただ下を向いて……
「すまん……。」
透さんは苦しそうに言葉を吐いた。
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「俺は、xLunaSxを抜ける。」
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ついに、透さんからその言葉が
零れて落ちた。
っ……知っていても
それでも声にならない。
静まり返るスタジオ。
エアコンが入っているはずの室内の空気が
2度ほど下がったような気がした。
冷えたのは、空気か、
それとも心か。
『どうして……?』
何とか音にした私の言葉は
完全に震えている。
だって……。
「この前、親父が倒れたんだ。」
倒れた……?
あの……電話……?
「俺の親父は……
アツミの代表取締役なんだ。」
そう言って、透さんは
ベースを柔らかく抱き締める。
!?
アツミ……?
私でも知ってる東証一部上場企業。
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特に有名なのは─────楽器だ。
「……アツミって……そのアツミ?」
透さんのベースを指差して
裕太の震える声が響く。
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「ああ……
俺は、後を継ぐ。」
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「!?」
「元々、俺と親父は
折り合いが悪くてな……
後なんか継がねぇっつってたんだ。」
「…………。」
「音楽で食っていきたいなんて
夢みたいなこと言ってる俺は
親父にとっちゃ不肖の息子でさ。
でも、親父が倒れて
ベッドの上でさ……
"お前の好きに生きればいい"って
言われてさ……初めて……っ……
親父が小さく見えた……。」
呟くような小さな声。
透さんの声も震えている。
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とーか(プロフ) - lapisさん» 後で片付けるのが面倒なので、やっぱりやめておきましょう(笑)さてさて、lapisさん知ってるじゃないですか(笑)私、彼の憂い顔が大好きなんですよね(笑)逆境なんて、大したことないはずです、彼は(笑) (2017年4月17日 13時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
lapis(プロフ) - とーかさん» 人様に迷惑かけない自室なら…まぁ…ありじゃないですか(笑)?…レッドが入る為には仕方ないのはわかるんですけどね…でも、これ…後から加入するレッド…かなりしんどいですよねぇ…とーかさん、愛ゆえにレッドに逆境を与えているのですか(苦)? (2017年4月13日 19時) (レス) id: d69b317122 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - canちゃんさん» こらこら(笑)ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!ってお化けじゃないんだから(笑)ついにお待ちかねのレッド登場ですよ(笑) (2017年4月13日 19時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - lapisさん» いやー……大人として、物に当たるのはダメですよ(笑)ですねー…脱退とか加入とか、もう苦しくなっちゃうんですけどね。。。でも、これもレッドのため(笑)心、鬼にして頑張りますp(^-^)q (2017年4月13日 19時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - しらすさん» しらすさん、いつもありがとうございまーす(*≧∀≦*)ついに来ましたレッドのターン(笑)もう、本当にお待たせしましたーm(__)mついに物語が動き始めます(*`・ω・)ゞ (2017年4月13日 19時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とーか | 作成日時:2017年2月13日 19時