before the melody 3-12 ページ36
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【俺達は、透さんだから
ここまで一緒にやってきたんだよ。
ミツを知ってる俺でさえそうなのに
アイツ等に透さんの代わりなんて
受け入れられるわけないだろっ!!】
嘘……でしょう……?
私は、背中で渉さんの
悲痛な叫びを聞きながら
マイクのスイッチを切って
ミキサールームを出た。
ドクンドクンと心臓が嫌な音を立てる。
とにかく、どうしていいかわからなくて
逃げるみたいに
スタジオのあるビルの階段を駆け上がった。
はぁ……はぁ……はぁ……
肩で息をしながら屋上まで辿り着く。
キィ……と金属音がして
ドアを開けると12月の冷たい空気が
私を取り囲む。
前に太輔が、屋上に喫煙所があるって
言ってたけど……
こんなとこなんだ……。
風雨に晒されて少しだけ錆びた
ベンチと、灰皿。
周囲を囲む鉄柵と高層ビル郡。
さっき太輔と見上げた空は
満天の星が輝いていた。
都会のスモッグに遮られた空は
輝きさえも遠くへと押し退けて。
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透さんが……辞める?
xLunaSxを?
私達を置いて?
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────嫌だ。
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まだ、私達はこれからで。
透さんがいたから。
だから、xLunaSxはここまで来て……。
私は携帯を取り出した。
太輔に……そう思って
手を止めた。
何て説明したらいい?
まだ何もわからない。
透さんの口から聞いたわけでもない。
ボロボロと瞳から涙が溢れた。
透さん。
透さん。
透さん。
ー俺らと、一緒にテッペン目指してほしいー
そう言ったのにっ!!
冷たい風が吹く屋上の隅で
携帯を握り締めて私は一人で泣いた。
白く色を持つ吐息の向こうに
冴えた空気を纏う白い月が覗いていた。
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──────……置いていかないで。
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とーか(プロフ) - lapisさん» 後で片付けるのが面倒なので、やっぱりやめておきましょう(笑)さてさて、lapisさん知ってるじゃないですか(笑)私、彼の憂い顔が大好きなんですよね(笑)逆境なんて、大したことないはずです、彼は(笑) (2017年4月17日 13時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
lapis(プロフ) - とーかさん» 人様に迷惑かけない自室なら…まぁ…ありじゃないですか(笑)?…レッドが入る為には仕方ないのはわかるんですけどね…でも、これ…後から加入するレッド…かなりしんどいですよねぇ…とーかさん、愛ゆえにレッドに逆境を与えているのですか(苦)? (2017年4月13日 19時) (レス) id: d69b317122 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - canちゃんさん» こらこら(笑)ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!ってお化けじゃないんだから(笑)ついにお待ちかねのレッド登場ですよ(笑) (2017年4月13日 19時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - lapisさん» いやー……大人として、物に当たるのはダメですよ(笑)ですねー…脱退とか加入とか、もう苦しくなっちゃうんですけどね。。。でも、これもレッドのため(笑)心、鬼にして頑張りますp(^-^)q (2017年4月13日 19時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
とーか(プロフ) - しらすさん» しらすさん、いつもありがとうございまーす(*≧∀≦*)ついに来ましたレッドのターン(笑)もう、本当にお待たせしましたーm(__)mついに物語が動き始めます(*`・ω・)ゞ (2017年4月13日 19時) (レス) id: b9afaafbf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とーか | 作成日時:2017年2月13日 19時