Eclipse 3

before the melody 3-10 ページ34

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結局、太輔に家まで送ってもらったけれど

私の中のモヤモヤは消えてはくれなくて……









歌いたい……。









もう、無性にそんな気分だった。









気がつけば、透さん以外の全員が

スタジオから徒歩圏内に引っ越していて

まるで溜り場のようになっている。









行けば誰かしらいる……

そんな状況になりつつあった。









でも、時刻は深夜。









まさか、

こんな時間に誰かがいるわけがないけど……

そして、開けた扉。









!?









そこに透さんと渉さんの姿が見えた。









嘘、こんな時間に!?









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けれど。









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…………え？









何？




どうしたの？









防音のガラスの向こう側での二人の表情は

ひどく辛そうだった。









特に、渉さん……。









二人は、話に夢中になっているのか

私が来たことに気付いていない。









私は思わず音響機器の隙間に隠れた。









心臓が

ドクンドクンと嫌な高鳴りをみせる。









だって……









.









二人のあんな顔……見たことない。









何？



何を話して？









あ、そうだ。









でも……









……ごめんない。









私は申し訳ない気持ちを押し殺して

低姿勢で隠れたまま

ゆっくりと移動して

スタジオ内のマイクのスイッチを入れた。









プツッと入るスイッチ。









スタジオのマイクが二人の会話を拾い始めた。

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