Eclipse 3

before the melody 4-5 ページ15

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「俺に対して、そんな顔……初めて見た。」









フッと裕太が鼻で笑う。









それは

間違いなくオトコの色を宿した瞳で。









そして、そのまま裕太は

私を見つめたまま

掴んだ手首にゆっくりと口付けた。









ちゅ…









ドクンッ









その瞳で見据えられて

心臓が派手に音を立てた。









裕太の手が

手首を掴んだのとは逆の手が

フワリと頬に添えられる。









それは、指先が触れるか触れないかの

微妙な距離感で。









細く長い裕太の綺麗な指先が

そのままスーッと頬を滑る。









ゾクッと肌が粟立った。









『ゅ、ぅ……』









何これ!?









ちょ、裕太っ!?









細められた瞳が、熱を内包する。









その瞳の熱に溶けたオトコの色。









初めて触れる、裕太のオトコの部分。









それが、パニックを生む。









心臓がドクンッドクンッと早鐘を打つ。









「ダメじゃん、そんな顔しちゃ。」









囁く声にさえ、滲むナニカ。









これは……誰っ!?









知らない。









私は、知らない。









こんな裕太は──────。









頬を滑り降りた指先が顎を捕らえて。









クイッと顎を指先だけで持ち上げられた。









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「キス、しちゃう？」









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その声にビクッと肩が揺れて。









カタカタと小刻みに震える。









怖いっ……









こんな……こんな、裕太は知らない。









ゆっくりと近付く裕太に

私は何も出来なくて思わず目を瞑った。









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瞬間。









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顎を捕らえていた指先の感触が消えて。









ペチンと、額に全く痛くない衝撃。









「ダメじゃん、そこで目瞑っちゃ(笑)」

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