Eclipse 3

before the melody 4-2 ページ12

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「おい玉っ!!そん持ち方すんなってっ!!」









裕太が、足を持って振り回しているのは

夢の国のぬいぐるみ。









何度か一緒に行って

意外に太輔が詳しくて驚いた。









あのぬいぐるみは

お揃いで私の部屋にある。









「えー？」









相変わらず緩い裕太は

手伝っているのか邪魔しているのか(笑)









「ちょっと休憩しようよ。」









「もうちょっと

ちゃんと手伝ってからでしょ。」









渉さんは苦笑いだ。









お母さんは怒ると怖いよ？(笑)









「いや、休憩する。

ガヤ、Aと飲み物

買いに行ってくんねー。」









「は？」









『え？裕太？』









「行こう？」









そう言って裕太は有無を言わさず

私の腕を掴んで連れ出した。









「ちょ、玉っ!!」









太輔の声を背中に聞きながら

私と裕太は太輔の部屋を抜け出した。









『後で絶対怒られるよー？(笑)』









「だって外気持ちいいし。」









裕太が、両手を上げて

"んーっ"と伸びをする。









春の柔らかな日差しが心地よく

爽やかな風が吹き抜けた。









『まぁ、確かに。』









「でしょ？」









よく晴れた青い空と

芽吹く直前の桜に

柔らかい裕太の笑顔がよく似合う。









「こんなとこに公園あんだ。」









太輔の部屋から程近い場所に

小さな公園があった。









遊具は、滑り台とブランコ。









それから、屋根付きのベンチがあった。

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