Masquerade

case 47 ページ48

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ー26歳 3月ー



「A、誕生日おめでとう。」




「おめでとう。」



「おめでと♪」









３つの声が重なる。









今日は私の27歳の誕生日。









雅が言い出して、

紗枝と3人で柊さんのお店に来ている。









今日はお店の奥にある個室で

3人だけのつもりだったが、

柊さんがシャンパンを持って入ってきた。









「柊、カウンターほったらかしてて

大丈夫なの？」









「ああ、彬も最近慣れてきたし、

面倒な常連組が来なけりゃ大丈夫だろ。」









彬くんは、1年ほど前に

バイトで入った子だった。









一生懸命だから、柊さんは目を掛けていて

半年前に正式にバイトから

スタッフとして採用していた。









最初は厨房をしっかりと教えていたが、

ここ2ヶ月ほどは

よくカウンターの中に入っている。









「面倒な常連組って、

その中に私も入ってる？」









雅が、柊さんの発言に

食って掛かったけど……









「もちろん。」





「当たり前でしょ。」









あえなく二人に返り討ち(笑)









「しかも、

雅はAほど来ねぇだろ(笑)」









「A、面倒な常連って言われてるよ!!

笑ってないでAも反論しなよっ!!」









『え？だって私……

面倒な常連だって自覚あるから(笑)』









「え？何で!?」









『だって、座って何も言わなくても

一杯目が出てくるのが当たり前だと思ってて、

メニューはほとんど見ずに

食べたいものを言って、

でも明日も仕事だから

ニンニクやニラは脚下って

相当面倒な客だと思わない？』









「……それはそうかも(笑)」









雅が納得して、

それを見て似た者カップルが笑って、

そして紗枝が口を開く。

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