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同時に斬ったように見えたが、僅かに速かったのはペルセウスだった。ハカイオー絶斗は地面に倒れブレイクオーバーの音を響かせた。
「あの野郎……」
「残念だったな。でも俺は楽しかったよ」
「結局勝たないと面白くないね。お前はまだ弟がいるから余裕ってか?」
「まさか。確かにバンにも勝ってほしいけど、今回は一緒に戦ったチームメイトに勝ってほしかったさ」
郷田、仙道、ありがとうな。暗殺阻止で慌ただしかったけど、楽しいバトルも出来たよ。

残ったのはエルシオン、ペルセウス、そしてヴァンパイアキャットの三機。もう身を隠す必要もなくなったのか、ヴァンパイアキャットも姿を現した。
ペルセウスが最初に動いた。エルシオンに斬りかかるが盾で完璧に防がれてしまう。その間へヴァンパイアキャットが割り込み、トリプルヘッドスピアーで二機を払うようにしてダメージを与える。
ヴァンパイアキャットから一旦距離を取ろうと考えたのか、エルシオンが下層部へと走る。それを知ってか知らずかは分からないが、ペルセウスが逃すまいと追いかけていく。
それはヴァンパイアキャットに背を向けることだとは気づかずに。

「必殺ファンクション!」
アスカが今大会初めての必殺ファンクションを発動させた。足元に現れた魔法陣へ槍を突き刺し邪悪なエネルギー体を召喚する。それは意志を持つように咆哮し、三つに分かれエルシオンとペルセウスへと襲いかかった。それはまるで悪魔の魂、「デビルソウル」。
あまりの不意打ちにバンとヒロだけでなく、観客までもが静まり返る。そして二機のブレイクオーバー音で司会が我に返り、マイクを力強く握り大きく叫びあげた。
「エルシオン、ペルセウス、同時にブレイクオーバー! 勝ち残ったのはヴァンパイアキャット! 第四回アルテミス、優勝は古城アスカだーっ!!」
次いで沸き起こる歓声と拍手。新たなチャンピオンの誕生だ。

表彰式。アスカには優勝商品のスパーク3000が贈呈される。その時にアスカが放ったコメントに俺らは驚愕することとなった。
「タケル! 姉ちゃん勝ったぜ!」
彼、いやアスカは「彼女」だったのだ。


これにてアルテミスは終了。再びNICSへ戻りディテクター事件の解決の為に奔走する日々が始まる、筈だった。

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設定タグ:ダンボール戦機W , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:とうか | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toukahttp/  
作成日時:2018年5月5日 16時

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