島巡り者の人脈 (ページ34)

今日:17 hit、昨日:0 hit、合計:3,715 hit

島巡り34 ページ34

ハラさんの最後のポケモンはマケンカニ。
このポケモンも先程、捕まえたポケモンだ。
大丈夫、勝機はある！

『ケララッパ、空高く舞い上がり、後ろかららついばむ！』

ついばむが当たったマケンカニは未だに立っていた。
そこにハラさんは見たことがないポーズでマケンカニに全力技を発動させた。
これが、ポケモン勝負。
倒して倒されてのこの駆け引きがポケモン勝負なのだ！バトルなのだ！相手の全力と自身の全力をぶつけ合って己を高めていくのだ！
私は倒れたケララッパにお礼を言ってからやっぱり最後は貴方よ、とオシャマリを繰り出した。

『オシャマリ、全力でチャームボイス！』

オシャマリが相手にチャームボイスを当てた。
私のオーダー通り、全力を出して。
チャームボイスは音から攻撃に変わり、辺りに砂を起こした。
反射的に瞑った目を恐る恐る開けるとそこには倒れたマケンカニと大きく胸を貼るオシャマリがいた。

｢おおう！あっぱれ！！｣

姿勢を低くして、私は飛びついてきたアシマリを沢山なでてあげる。後でケララッパも撫でてあげなきゃ、と笑っているとハラさんが近づいて来て｢よいトレーナー、そしてよいポケモンですな！｣と言ってくれた。
私は慌てて立ち上がって右頬を人差し指で掻きながら『ありがとう、ございます』と笑って見せた。
その時、近くからカプ・コケコのさえずりが聞こえてきた。
ハラさんが言うには強くなった私達と戦うのが楽しみらしい。
ならその期待に応えないと、と私は息を出した。

｢Aよ、トレーナーの力を分け与える、Ｚクリスタルを受け取られよ｣

そう言って手渡されたＺクリスタルを握りしめて空へと突き出す。
月の明かりが当たってとてもキラキラしている。言葉では言い表せないほどの美しさであった。
そしてハラさんから格闘タイプのＺパワーを使う時のポーズを見せてもらう。
何だかいくつものパンチを決めているようでとてもかっこいい。

｢A！これにてアローラ地方、一つ目の島！メレメレ島での試練をすべて達成ですな！！メレメレの試練達成の証のスタンプがあれば人と交換したポケモンでもレベル35までなら息を合わせられますぞ！…………昼間の月……夜の太陽……見えなくても存在するものに思いをはせられるかどうか、アローラの島を巡り、色んなポケモンや人の見えるもの、見えないものを考え、いつかカプ・コケコと会うのですな｣