島巡り者の人脈 (ページ21)

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島巡り21 ページ21

｢Aー！！足音聞こえたから来たよー！｣

声がした方を思わず凝視しているとハウ君がこちらに向かってきていた。
私は条件反射的なもので一歩後ろに下がってしまったがハウ君はそんなことを気にしていない様子でまた話し始めた。
確かにハウ君の言う通り此処、ハウオリシティは凄いところでアローラ地方に来て片手で数える程度しか住んでいないが此処のいいところは何個も見た。此処はとてもいいところである。

｢ねーねーA、いいとこ案内してあげるー！｣

そう言ってすぐ右の建物に入ったハウ君を追って私も急いでその建物の中へと入る。
するとハウ君は受付のお姉さんに話すやいなや｢ロトム図鑑を持ってると良いもの貰えるってほんとー？｣と聞いた。
私は慌てて敬語を使った方がいいと言おうとするのだが受付のお姉さんは｢耳が早いですね！｣と満面の笑みを顔に浮かべて意気揚々と話し始めた。
どうやらロトム図鑑に新たな機能が追加されたらしい。その名前はポケファインダー。
ポケファインダーではポケモンの撮影ができるらしい。そして撮影できるポイント、というものもあってロトムが教えてくれるらしい。便利すぎでしょう、ロトム図鑑。
言いたいことを言って｢先に行くねー！｣と建物から出て行ったハウ君を呆然と視界の端でちらりと眺めながら受付のお姉さんの話を聞くが、撮影したポケモンは本当に可愛いということしか分からなかった。

｢Aさん、ハウさん。案内所はどうでした？｣

リーリエちゃんのその言葉で私は今さっきいた建物が案内所ということを理解した。
ハウ君とリーリエちゃんだけで進んでいく会話を疲れた顔で微笑んでいるといきなりポケットからロトムが飛び出してカメラ独特のシャッター音を辺りに響かせ、また私のポケットへと戻って行った。

｢え？｣

｢あははー！今の何だろうねー。A、次は美味しいもの紹介するねー！｣

紹介すると言いながら走り去っていくハウ君に私はどうやら慣れてしまったらしい。
そんな自分に苦笑いしているとリーリエちゃんがロトムはもっと写真を撮りたいのかも、と言ってくれた。
私はその話を聞いているとリーリエちゃんはブティックへと向かっていってしまい、また私は一人になった。
そんな時に男性の陽気な声が私にかかった。