島巡り者の人脈 (ページ20)

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島巡り20 ページ20

｢……トレーナーズスクールでポケモンさんと力を合わせて戦う姿……よかったです。だからAさんはあの時、トレーナーでもなかったのに……ほしぐもちゃんを助けられたんだって……ポケモンさんに選ばれたんだって私、分かったんです｣

そう笑顔で言うリーリエちゃんにそれを否定する勇気なんて私にはなくて、ただ一言『ありがとう』と言ってその話を終わりにした。
ああ、そういえばあのケンタロスだが、先生がハラさんに連絡しておいてくれたからかケンタウロスの周りにはハラさんとハウ君がいた。
私はハラさんにケンタロスを撫でてほしいと言われたので片手で頭を優しくなでてあげると｢ぶもぉ｣と声を出した。
ハラさん曰く喜んでいるらしい。

(……そっか、撫でるのもお手入れ、か)

ハラさんはケンタロスを連れて去って行ったが、どうやらハウ君は私を案内するのを手伝ってくれるらしい。
きっと最終的には別行動になると思うけれど。
リーリエちゃんが言うにはハウオリシティはアローラで一番の都会らしい。
いろんな建物があるのかな、と少し胸を踊らせながら彼らのあとを私は追って行った。

(……やっぱり、別行動になるよね)

予想はしていたことだけれどこの地方の人たちはとてもマイペースである。
ため息をついていると一人の女性に私は声をかけられた。

｢あら？貴女……はるばる遠くからアローラに来たんでしょ！！｣

『え！？……あ、はい。そう、ですが…』

｢アローラの挨拶一緒にしましょ！アローラ！……ほらほら君もアローラって挨拶したらみんな仲良し！｣

『ア、アローラ……？』

私がそう返すとお姉さんは満足そうににっこり笑ったので私は会釈してから小走りでその場から去った。
やっぱりまだまだ知らない人と話すの苦手のようである。
直さないとトレーナーとしてかなり致命的だと思うし、私自身、人見知りが直せるかも～と島巡りを始めたのだ。
自分なりに努力しなければ、と小さな目標を胸に掲げて街を歩き出して行った。