島巡り者の人脈 (ページ13)

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島巡り13 ページ13

なんやかんやあって研究所に私たちは入った。
リーリエちゃんはリーリエちゃんなりに博士の手伝いがしたいとか、恩返しがしたいとか、本当にいい子で本当はいいところで育ったのではないかと思うくらいである。

｢よう、A！リーリエ、ありがとう！｣

｢いえいえ、助手ですから……なによりお世話になっていますし｣

｢イワンコの技がキレててね、研究も捗ったよ！｣

これは私の知っている研究ではないが研究者の数だけ研究の仕方や目的がある、とでも思っておこう。

｢ところでAのポケモン図鑑、ちょっと借りるぜ｣

『あ、はい……どうぞ』

図鑑をバッグから取り出して博士に手渡すと博士は図鑑に向かって話し始めた。
それにリーリエも、もちろん私も困惑している。

｢あ、あの……｣

｢なんだい、リーリエ？僕は独り言は言わないぜ。図鑑の中にはロトムというポケモンがいるんだ｣

『ロトム？……それって確か、ポケモン…です、よね？…機械に、入る』

｢よく知ってますね…｣

博士が言うには開発された専用のボディにロトムが入ることで完成するゆうなればロトム図鑑という新時代のポケモン図鑑なんだとか。
まだ開発されたばかりだから世間的に数が少ないレア物らしい。別にそれで嬉しくなる訳では無いけれど。
しかも届いたパーツでその図鑑をパワーアップすると何とロトムが話せるようになったのだ。
科学の技術って凄い、と感心しながら私は改めてロトムに挨拶した。
博士が言うには私はロトムに好かれているとかなんとか。
ロトム図鑑にはタウンマップが追加されて、現在地がわかるのだとか。なんて便利なのだろう。
その時ガチャという音がしたので私はドアの方へと振り返るとハウ君がいた。

｢アローラー！潮風に誘われ遊びに来たよー！｣

ハウ君は入るなり、少し奥にあるロフトが気になったようだがそれをリーリエちゃんが阻止した。
話を聞くとそのロフトは博士がリーリエちゃんに貸しているところらしい。
そして島巡りの話をしてもらえるようなので私はバッグの紐部分をギュッと握って声に耳を傾けた。