島巡り者の人脈 (ページ12)

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島巡り12 ページ12

翌日、またあのウッドデッキでママは腕を広げて光合成をしていた。いや植物ではないが。

｢いい天気！さーて今日は何があるのかしら……？あらチャイム？ククイ博士ならしれっと入ってくるわね｣

『……あーもうはいはい。少し出てくるね』

ドアを開けるとそこにいたのはリーリエちゃんで私に何か用があるらしい。

｢あの……ククイ博士に“おぉリーリエ！期待の新人トレーナーを研究所に連れてきてよ！”と頼まれたものですから、私、案内致しますね。着いてきて、くれますか｣

｢A！はい、お小遣い！大事に使ってね｣

そう言われて私は手にお金を握らされ、アローラには出会いがいっぱいね、と家に戻って行ったママにため息をつくとリーリエちゃんは｢優しそうなお母様ですね｣と言ってくれたのが嬉しくて私は何だか恥ずかしくなってしまった。
それから私はリーリエちゃんの後を追って行く。
博士の研究所は草むらが辺りにあるらしく、危険な気がするがポケモンに囲まれてるから技の調査が捗る、ということにとるとは流石だな、と思った私は苦笑いをした。
そしてどうやらほしぐもちゃんはコスモッグ、というポケモンでなんでも遠いところからやってきた珍しいポケモンらしい。
そんなポケモンが何でリーリエちゃんのバッグにいるのか、というのは今は聞かないことにしよう。
リーリエちゃんが助けたんだとは思うけれどそれが彼女の地雷だとしたら私とリーリエちゃんの関係は最悪になるかもしれないからだ。
私は虫除けスプレーをつけて草むらへ入っていたリーリエちゃんをまた追っていく。
途中、何人かのトレーナーに勝負を仕掛けられたが何とか勝つことが出来た。
皆、段々強くなってきていて、とても頼もしい限りである。
さて研究所らしき建物に着いたはいいが何か中からは叫び声が聞こえてくる。
オーキド博士の研究所とはまた別の感じで私はかなり戸惑っています。顔にあまり出てないだけで。

｢ふぅ……またですね｣

『え！？……ま、またって…何回も、こんな感じ…なの……？』

｢えぇ、ポケモン研究所……趣がありますよね｣

『え……あぁうん……そう、かもね』

多分これは趣とは真反対のところにあると思うけれど、と思いながら相槌を打つとリーリエちゃんは自分のことを少し話してくれた。
まさかこんな所で3ヶ月も前から居候しているとはかなり意外だった。