K〜ココロのキズ〜

＃３８ ページ39

アンナ「名前どうしよう！」

アンナちゃんが嬉しそうに馬に抱き着いた。

藤島「その前に餌やらないと。」
草薙「ちょっと待てぇ！！！」

完全にその気になっている２人に草薙さんのツッコミが飛んだ。

草薙「馬か馬はアカンわ！元の場所に返してらっしゃい！！」

でもそれも。

アンナ「さっきはいいって・・・」

アンナちゃんのキラキラ攻撃に押し黙った。






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草薙「なんで馬が落ちてんねん・・・それでなんでそれを拾うって発想になんねんな・・・。」

草薙さんが暗い表情でブツブツとつぶやく。

ちなみにその隣には例の馬。

そしてそのさらに隣にはさっき二階から降りてきた周防さんが馬を見たまま硬直。

頭の中を整理しているんじゃないかと思う。

十束「まーまーいい馬じゃない。ほらっ毛並みとかつやつやで。」
草薙「おまえの慰めはいらんわ。」

あんまりに暗い草薙さんに十束さんがフォローをするけれど，ばっさり切り捨てられた。

アンナ「ミコト！」

アンナちゃんの弾んだ声が響く。

アンナ「名前！」

つけてと周防さんに［命名］と書かれた紙を見せる。

周防「・・・・・・。」

キリッと恰好をつけている(ように見える)馬を少し眺めて，周防さんは・・・

周防「馬刺し。」

と，ぼそりとだけれど言い放った。

それを聞いてアンナちゃんと・・・馬刺し・・・が一緒に固まる。

ポカポカとアンナちゃんが周防さんを叩く。

特に気に留める様子もなく，周防さんはそれを無視。

十束「尖ったセンスだね！」
A「それは馬がかわいそうです・・・」

感想を述べた十束さんに続き，私も小さく反論を述べた。

草薙「ロースにモモにヒレ。全部位揃てるわ。今日はごちそうやなぁ・・・」

と草薙さんが暗い顔のまま言う。

アンナ「！！？」

アンナちゃんがまた固まった。

周防「・・・つかその馬。」

周防さんが馬を見て，何かを言おうとする。

その時カッと一瞬まぶしい光が瞬いた。

周防「ただの馬じゃねーぞ・・・」

そう言った周防さんの目線の先には。

まるでペガサスのように翼の生えた・・・ば，馬刺しが。

草薙「ストレイン！？」

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