ネズミ in ネズミ【5話】 ページ7
「それは……駒沢さん。あなたです」
一同は駒沢の方を向いた。
「駒沢くんが犯人??」
神山が信じられないという顔をして言った。
「はっ、何を言う?俺が犯人なわけねぇだろ。この暗号と俺の名前、何が関係あるってんだ」
駒沢は自分への視線を感じながら、吐き捨てるように言った。
「名前ではなくコードネームですよ」
公平はそんな駒沢を見て、ゆっくりと言った。
「なん……だと?」
公平は周りを見渡して、
「ネズミは英語でmouse、マウスといえばもう一つ英語がありますよね?」
井畑は閃いた顔をした。
「もしかして
「そうです。マウスはmouthとも言います。つまり“口 in 口”、口の中の口になります。すると出来上がる文字がありますよね」
公平の言葉に部屋が静まり返った。そして、猫田が声を上げた。
「もしかして、“
「ご名答。駒沢さん。“まわる”がコードネームのあなたのことです。これでも犯行を否認しますか?」
公平は真っ赤になっている駒沢を見た。
「認めるわけねぇだろ!動機はなんだよ、動機は!」
駒沢はふんぞり返った。
「これはあくまで私の憶測ですが、駒沢さん、あなたは鳥取さんから、相談を受けていましたよね?内容は会社のこと。鳥取さんは何らかの形で社長が自首しようとしていた事を知り、鳥取さん自信も警察に名乗りめようかと思っていた。その事をあなたに話したが、あなたは怒りに狂い、鳥取さんを殺害。鳥取さんが残したダイイングメッセージに気がつかず、慌てて逃げ出した。……違いますか?」
皆の視線が駒沢に集まった。そして諦めたように、駒沢は床に膝をついて絞り出すように声を出した。
「くっ、そうだよ!俺だよ!鳥取を殺したのは!」
「駒沢っ!お前、何でこんなことをっ」
井畑、猫田、大木、神山は信じられないという顔をしている。
「俺はこの会社が大好きだ。だから嫌だったんだよ。この会社が汚されるのは」
駒沢は声を震わせながら言った。
「でも今回の事件で、あなたはこの会社をさらに黒に染めたんだ。猫田さん、神山さん、大木さん。あなた達も本当は社長の思いを知っていたんでしょう?」
公平の言葉に、3人は驚きの色を浮かべた。
「……えぇ。一週間ほど前から、社内で噂されているのを聞きました」
「あたしも聞きました」
「俺も知ってたよ」
大木が言うと、神山、猫田も認めた。
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作者名:商社へGO(しょーごしゃん) | 作成日時:2017年8月29日 19時