ネズミ in ネズミ【1話】 ページ3
ネズミ in ネズミ
「被害者は都内の宝石店に勤めており、某ホテルを訪れたのは、取引のためだったと、社員が証言しております。検死の結果、凶器は刃渡り30センチほどのナイフで、胸部や腹部を計7か所刺されており、死因は大量出血による失血死です。死亡時刻は遺体の腐敗の具合から、昨夜の9時から9時35分の間。先ほど被害者の身辺を調べたところ、犯行時刻にアリバイのない容疑者は、被害者と同じ会社に勤めている5人です。内村警部、ここはやはり、彼を呼びましょうか」
新米刑事は携帯を取り出した。
「ふむ、そうだな……彼ならな……」
内村警部は新米刑事の言葉に頷いた。
3日前に、ある屋敷で起きた殺人事件。ここである人物がらこの事件の犯人を絞り出していた。
「というわけで後藤さん。あなたしか犯行が可能な人物はいなかった。これ以上、罪を重ねるのは止めましょう。私は知っていますよ、彼を殺害したのは妹さんへの償いだったと。そんなことしては、妹さんは喜びませんよ。救われないんです。人を殺すなんて。たとえどんな理由があろうとも」
見事な推理で事件を解決へと導いた、この人は佐藤公平。佐藤探偵事務所の所長であり、不可解な事件を解決する名探偵である。これまでに解決した事件は数百軒以上と云われている。そして、あまり大きな声では言えないが、最近は警察から直々に依頼を受けることもある。名の知れた探偵なんですよ。おっと、申し遅れました。私は探偵所の事務員であり、佐藤さんの助手である泉誠と申します。以後、お見知りおきを。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:商社へGO(しょーごしゃん) | 作成日時:2017年8月29日 19時