水溜りでボンドな日常3 (ページ23)

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ゲームと嫉妬ページ23

カンタside

昨日撮った動画を編集するいつもの行動。

『やったー！また勝ち～。』

キ「え、何が起こった…」

P 「Aちゃん強すぎで…あ、強すぎィー！」

隣で、やった～と喜んでいるのは最近同居を始めたAだ。
後輩2人とスマブラをして遊んでいるらしい。

キ「Ｐさんどうしましょう！」
P 「次はこっちのキャラの方が…」

今までAが後輩と一緒にゲームすることなんてなかったのに、
いつの間にこんなに仲良くなったんだろ。

『ねね、カンタも一緒にやろーよ！』

カ「わっ、」

急にパソコンの画面を遮って、覗き込んでくるのはさっきまで飛び跳ねてたA。

カ「いや、俺は編集終わらせなきゃだから…」

『それなら、ここじゃうるさくて集中出来ないんじゃない？上行かなくて大丈夫？』

そう言ってAはちょいちょいっと階段を指さす。

カ「いや、それは…」

なぜこんなにうるさい所で編集しているのか。
そう、俺は君たちを見張っておきたいのだ。心配だから。

『なーに？』
こくりと首を傾げるA。

だって俺らのマネージャーだよ？？出会ったのは俺の方が先だよ？

後輩と仲が深まるのはもちろん嬉しいけど…ちょっと寂しいようなそうでないような…

このままじゃお気に入りの物を横取りされちゃう、みたいな感覚。

俺ってわがままだなぁ、

キ「Aさん！もう一回戦しましょう！次は負けねぇっすから！」

『言ったぞ？よっしゃあ、キイチには絶対勝つ！
Ｐさん…は気合い入りすぎだよ？笑』

P 「ちょっと待って、今集中力上げてるから。」

本当に名前呼び捨てになってるし…

こんなことにまで敏感になってしまっている俺は先輩失格だ。

見張るなんて言ってたのは俺だけど、心のもやもやがどんどん大きくなって、
『カンタ、』

カ「へ？？」

『私の勝つとこ見といてねっ。』

…！

P 「よっし、準備完了！始めるよ？」

キ「勝つのは俺だぁ！」

『だぁー！』

バトルが始まって、みんなテレビに釘ずけになる。

赤くなっているであろう顔を隠すように手で覆って思わず、呟いてしまう。

カ「ほんと、気抜ける、笑」

見といてねっ、が笑顔と共に頭の中でリピートされてて多分今俺めっちゃにやけてる。

Ｐ「え？！何その攻撃！」
『ふっふ笑まだまだだね～笑』

…後輩とAが楽しいならなんでもいいか

もやもやしてた心がAの一言で、一瞬にして晴れちゃう不思議。

カ「次俺もやる！」