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『夜兎の血を…？』
医「えぇ。記録はあるんですが、その患者がその後どうなったかまでは詳しく記されていないんです」
そんな一か八かの勝負みたいなことするの…？
上手くいけばいいけど、死んだら元も子もない。
ま「晋助様！どーゆー事ッスか。そんな危ない事Aにさせるんスか？！」
高「どうするかは自分で決めな。奴に一度会ってくればいい」
そんな事言ったってさあ〜〜〜………。
…それでもこれしか道がないなら、やるしかない。
『…お願いします。実験でもなんでも構いません。それで上手くいけば…』
今までだっていろんなこと乗り越えて生きてきたんだ。
今更怖がったって仕方ない。
医「…わかりました。万が一Aさんに異変が起きたり、やめたいと言えばすぐに中止します。」
『その前に、ひとつだけ…。神威に…会ってきても、いいですか』
医「えぇ。それでしたら明日からにしましょう。また明日ここへいらっしゃってください」
私たちは3人で建物を出た。
『高杉、…案内して。神威がいるところまで』
高「…あぁ」
神威はなんて言うかわからないけど、会いに行くことにした。
はー…。一緒にいるのが当たり前だったのに離れていざ会いに行くとなると緊張する。手が震える。
ま「大丈夫っスよA、きっと喜んでくれるっス」
高杉はこの後、神威のところへ行く予定だったらしく連れて行ってくれた。
見慣れた懐かしい場所。
こんなに期間が空くと、本当に私がいたのはここだったのかと疑うくらい。
高「俺ァ別の部屋で待機してる。探して話して来なァ」
『………ありがとう、行ってくる』
うわー、緊張してきた。どこにいるんだろう…。
部屋か食堂か…。
にしても随分と静かだ。
団員に変に見つかって騒がれても困ると思い、私は高杉から借りた羽織のフードを深く被って神威を捜索した。
『やっぱり部屋…？いや、きっと食べてる。食堂行ってみブフッッッ…！』
振り向いた途端大きなものに顔面からぶつかった。
阿「………Aか…！？」
『副団長…っ！シッ！』
阿「お前さん、なんでここに」
『神威を探してるの…。話したいことがあって』
阿「団長なら恐らく昼寝してるが……部屋にいると思うぞ」
寝てんかーい。邪魔かな今行ったら。
『…わかった、ありがとう』
いや、迷ってる暇はない。
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作者名：凛 | 作成日時：2022年3月7日 23時
