近所のお兄さんが、苺の王子になってたんですけど。【stxxx/桃】

永遠はないんだから..... ページ15

『っ.....』

莉「付き合ってるか、付き合ってないかだよ？言えないの？」

『........。』

ああああああ！私はどうしたらいいの！？

莉「言えないんだね。じゃあやっぱり.....」

ヤバイ、怒られる？

どうしよう.....！

私は覚悟して、莉犬の言葉を待つ。

莉「.......やっぱり、さとみくんのためでしょ！！！」

『え』

ん？当たって、るけど……。

莉「そーでしょ！A、さとみくんのこと好きなの、バレバレだもんね！！」

『え、ええっ！？』

莉「好きなんでしょ、さとみくんのこと」

『え、うん.....』

さ、察しがいいこと…。

じゃなくて〜〜〜〜〜！

『私、顔に出てる〜！？』

莉「うん、めちゃくちゃ」

ま、マジか。

『……うん。私、さとみお兄ちゃんのことが好き。なーくんが協力してくれたの。でも.....』

莉「でも？」

『やっぱ好きなんて言えないよ。お兄ちゃんは、すとぷりで、みんなの王子様で.....』

辛い。

こんなの酷い、神様。

泣きそうになっている私に、莉犬は笑いかける。

莉「A、俺は応援してるよ」

『……！』

莉「こうしてAと再会出来たのも、さとみくんのおかげだし。何より、Aに幸せでいてほしいからね」

『莉犬.....』

莉犬はふふっと笑う。

莉「俺はAの味方だよ。好きなら好きって言わなきゃ。後悔する」

『でも....』

莉「A。今は永遠じゃないんだよ」

『…！』

莉犬の言葉が、グッと心に刺さった。

今は、永遠じゃない______

莉「良いことも、平凡なことも、悪いことも、永遠じゃない。いつか終わりがくる。笑えなくなる、泣けなくなる。忘れたら、それで終了。」

『......』

莉「いつ終わりが来るか分からないんだよ。もしかしたら明日、俺は居ないかもしれない。Aも居なくなるかもしれない。それは、さとみくんだって。そんなの嫌、でしょ？」

『うん....』

莉「だったら、今を大事に、後悔しないように生きる。想いを大事にする、形に残す、今をおもいかえせるようにする。それしかない」

“今”を、“永遠”に________

『…ありがとう、莉犬。』

莉「ううん」

『私、伝えてみる、お兄ちゃんに。好きって』

莉「そうこなくっちゃ！」

私は深く頷く。

『ありがとうっ、ちょっと作業してくる！』

莉『うんっ、がんばって！』

書かなきゃ、今を。

手を振る親友を見ながら、二階へと走るのだった。

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