2匹.昔の話だけれども ページ2
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アイスティーが届きかき混ぜる。お互い無言なのがどうにも気まずいので
「最近どうなの?」彼に聞いた。
突然近況を聞かれたことに少し驚きを見せたがいつも通りの気だるい表情にスッと戻し彼は答えた。
「どうって、普通ですぜ。あんたは?」
「別に普通」
「そうかィ」
普通と聞いてそうだろうと思ったとでも言いたげに誇らしげにフッと彼は笑い、その淡い栗色の髪が揺れると同時に次の言葉を紡いだ。
「いやでも、新しい男とか出来たんじゃねぇですかィ?」
「いないわよ、そんなの」
別れた人にそんな事を聞くのはこの男くらいだろう。そんな事をちゃらけて聞く彼と目があって、そらしてしまったが、平常を装って返した。
「まぁ、あんたを好きになる物好きなんて俺ぐらいだからねィ……まぁ、昔の話だがな」
声のトーンは低く、冷房が効いて涼しい室内のはずなのに冷や汗が止まらない。
やっぱり私の事が嫌いなのかと思う。……まぁ、付き合ってる時に''あんな最低な事''をしてしまったし。そりゃそうだろうけれど。
なんか、別れる前もこんな感じの雰囲気を彼は醸し出していた。あの時の記憶なんて1つたりとも思い出したくもないが。
「そうね。その言葉そのまま返すわ。それに……あんただっていないんでしょ」
皮肉を言われたから皮肉で返した。あんただっていないんでしょと聞いたが別に興味がないので後悔した。そんな事聞いたってなんの得にもならない。
やっぱなんでもないと言いかけようとすると同時に彼の口から爆弾発言が飛び出した。
「あー、あんたには言ってなかったねィ。俺の新しい女の話」
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沙栗(プロフ) - 楽しみにしててください! (2023年2月24日 20時) (レス) id: d83def9fba (このIDを非表示/違反報告)
黒猫ニサナ - 更新待ってます(暗黒微笑) (2023年2月24日 20時) (レス) @page1 id: d9091632c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙栗 涼真 | 作成日時:2019年6月20日 19時