年の差10歳の婚約者【五条悟】

婚約者2 ページ2

「…お前急に何言ってんだよ」



五条悟は困惑していた。
それはそうであろう。挑発した年下の婚約者の少女にいきなり、下の名前呼びの許可を求められたのだから。


そしてそれは両家両親も同様である。
五条家側はその発言に目を点にし、少女の両親は娘のあまりにも命知らずな発言に顔を真っ青にしていた。


しかしそんなことを少女は気にせず、可憐な笑みを浮かべたまま五条悟に再度問う。



『よろしいでしょうか？』


「なんでだよ！おかしいだろ！」



意味が理解できない五条悟は少女に終始怒鳴る形でそう聞いた。
少女はその質問ににこやかに答える。



『五条さまは私がおとなづらをしてせいろんをたれたことが気にくわないようでしたので、子供らしく、まずはきょりをつめてみようかとおもったのです』



絶句である。
各家両親も、勿論質問をした五条悟も、皆絶句することしかできない。質問を返した少女を除いて。



『あら。私、なにかおかしかったでしょうか？』


「いいや、おかしくなどない。さて、悟…二人で話す時間を与えよう」



五条家当主はその空気に耐えられないと思ったのかそう提案し、同じく耐えられない各両親は唖然とする五条悟と不思議そうにいる少女を置いて、部屋を出て行った。

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