13.いつもよりも。 ページ13
少しずつ季節も変わり、としみつと付き合ってから1年がたった。
だんだんと幼馴染という感覚もなくなり、お互い彼氏彼女として、大切に思う気持ちを深めてきた。
「としみつー!」
と「ん?」
しかし、今日は一年記念日だというのに、このポンコツは何も言ってはこない。
私が呼んでも「何?」とか冷たい顔して、すぐ編集。
「なんでもないです!!!」
嫌気がさして、1人でスーパーに向かった。
本当は2人でどんなパーティーにするか考えたかったのに。
電話が鳴るが、意地でも出てやらない。
そう思いながらも、私はとしみつの好きなものばかり作ろうとしているのだから、彼のことは好きなんだ。
よし、帰ろ。と思うと、外は大雨で、、意地を張って出てきてしまったので、サンダルだし、傘はない。
「もう。」
なんだか泣けてくる。
するとそっと私の荷物を持ち上げ、傘を差す。
と「いくぞ。」
「としみつ…」
私の行動なんて、すぐに理解してくれていて、やっぱり敵わない。
「ありがとう」
と「なんで怒ってるん?」
「なんでも…ないよ」
そういうと、また沈黙で、歩いて10分の家に帰る。
家に帰ってからも、なんだか雰囲気は良くないし、私はどうも心が晴れない。
彼はまたパソコンに向かう。
一応記念日だし、と思い、彼の大好物ばかりを机に並べた。
「ご飯、たべよ。」
そういうと、「うん」とだけ返ってくる。
記念日を期待した私が悪いのか。
と「A」
「ん?」
顔を上げるとそこには何かを抱えたとしみつが立っていて…
と「記念日おめでとう。これからも仲良くして下さい」
なんて言って、よく覗くと可愛いくまのぬいぐるみが花束なんて抱いていて、、
「可愛い…覚えてたの…?」
と「当たり前やん。あとさ…」
「ん?」
と「そろそろ、俺ら、一緒に住まない?」
「…うん。ありがとう」
と「あと、俺の好物ばかり、ありがとう。」
そうやって、素直に伝えてくれる彼に、また胸が締め付けられた。
「こちらこそ、ありがとう。大好き」
そういって抱きつくと、私を強く抱きしめて、優しくキスをした。
ほとんど同棲のようなものだったけれど、彼との同棲生活が始まると思うと、心が高鳴った。
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作者名:tee(てぃー) | 作成日時:2019年9月29日 9時