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06.見送り ページ6

白澤様が現世に住んでいたのは別にいい

隠し事をされているのが悲しいわけではない

白澤様は自分の事を正直に話してくれていたから、それぐらい大したことは無い

でも、何が悲しいって…

ルチル「なんで樹海!?タクシー!!…って死んでるから止まるわけがない!!
止まったとしても、樹海に入ってく運転手がいるわけがない!!」

ノリツッコミとか私のキャラではない

そんな事十分わかっている

でも、一刻を争うのにすぐに白澤様のもとに駆けつけれないもどかしさがある

必死で走っていると大きな猫がサイドカー付きのバイクに乗り、行くてを遮る

火車「お困りかい?乗りな。どこへでも連れて行ってやるよ」

この時私は名前も知らない猫に「一生あなたについていきます」と思ってしまった

でもちゃんと行き先を伝え、冷静さを取り戻した私はこの猫が火車と言う雌猫だと聞き出せた

口は災いの元。本当に。寡黙なキャラでよかった…

樹海の中、一際目立つ赤い屋根の家に辿り着く

中にはうつむいて立ち尽くす鬼灯様と

女性の亡骸を抱きしめて泣き叫ぶ白澤様

ルチル「白澤様?」

大声で泣き叫ぶ白澤様に私の声は届いていない

白澤様の肩に手をのせ、再び名前を呼ぶ

ルチル「白澤様?ルチルです」

白澤「…シンシャちゃんが…」

白澤様は嗚咽しながらシンシャさんの名前を呼び続ける

ルチル「もう泣かないで下さい。私は白澤様との約束を守りに来たんですよ?
すぐにシンシャさんの後を追わせてあげますから」

鬼灯様が険悪な顔をする中、白澤様の目は輝いていた

ルチル「はい。ちゃんと薬も持ってきました。いいですか?1つ目は注射は麻酔です。
白澤様が寝入ったのを確認したら、2つ目の注射をします。これで楽に逝けますから」

白澤「本当に?…ルチルちゃんありがとう」

1つ目の注射をし、白澤様の意識がなくなった後に鬼灯様が私の手をつかんで止める

鬼灯「そんな事をしたら…例え死後の罪でもルチルさんは地獄に堕ちる事になるんですよ?
私はルチルさんを拷問するのは…絶対に嫌ですよ?」

ルチル「鬼灯様がそんな泣きそうな顔しないで下さいよ?
これはただの生理食塩水です。危険な薬剤なんか一切入ってませんよ?」

鬼灯「じゃぁ白澤は…」

ルチル「でも白澤様は死にます。知ってますか?人は思い込みで死ぬことができます。
私はただ思い込むための手伝いをしただけですよ」

2本目の注射をする前に、白澤様は安らかな顔で息を引き取った
2014.20.21

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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年10月20日 19時

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