11.啼泣 小太郎 ページ11
小太郎「A川に遊びに行こう」
A「わ〜い。でも、私遊んでばっかでいいの?」
Aはまだ自分の能力を知らない
だから川上で水遊びをして
川下に住む動物や人々がAの毒によって死んでいる事を知らない
そして、それが敵国の戦力を削ぐための後北条様からの命だと言う事も知らない
兵を使わずして侵略できるのだから、後北条様はさぞご満悦だろう
A「小太郎は遊ばないの?」
小太郎「私はいい。そろそろ帰るぞ。楽しかったか?」
A「うん」
Aは子供らしく無邪気に遊んだだけだと言うのに
その遊びの中で今まで何万人の人を殺めて来たか
この事実をAに知られる事なく墓場まで
そう思っていたのに…
私が倒れたことで風魔一党に波紋を呼ぶ
「やはりAは危険だったんです。そのせいで小太郎様が…」
「小太郎様を守るため、今すぐAを切り捨てるべきです!!」
A「小太郎…風邪じゃないの?」
「お前のせいで!!」
A「…え?」
何と言う事だ
家族だと思って一緒に過ごしてきた仲間に暴露されてしまうとは
A「小太郎!!ごめんなさい…私知らなくて…」
「泣くな!!お前は存在するだけで皆の命を削る。二度と小太郎様に近づくな!!」
小太郎「やめろ!!皆でAに毒を盛ってきた。ここに居る全員共犯…
Aを迫害することは私が決して許さない!!」
A「でも…私のせいで…小太郎が…」
小太郎「私はAの毒などで死んだりはしない」
小太郎は家に火を放つ
小太郎「これでもう誰も来ない。邪魔もしない。だから…最後に思いっきり泣くと良い」
Aが今まで泣いたことは無い
泣かなくていいよう、いつも小太郎がAに笑顔を与えていたから
でも、そんな小太郎の優しさが今のAにとっては後悔以外の何ものでもなかった
Aが泣くのは死ぬのが怖いからではない
小太郎と別れることが、一人になる事が何よりも怖いから
だからこのまま小太郎と死ねたら
私の最後のわがまま
涙枯れるまで
小太郎の腕の中で思いっきり泣かせて
2014.9.12
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時:2014年8月31日 7時