09.麒麟と鳳凰 ページ9
A「若返りの薬が出来たんです」
桃太郎「もう出来たんですか？」
A「はい。この赤いキャンディーを食べると10歳若返ります。逆に青いキャンディーを食べると10歳年を取ります」
桃太郎「それって手塚治虫の漫画にありましたよね」
A「ふしぎなメルモですね」
白澤「70年代の作品なのになんでAちゃんの年で知ってるの？」
A「有料テレビで再放送してるのを見てました。手塚治虫の漫画だと七色いんこが一番好きです」
桃太郎「マイナーですね」
A「7巻で完結したんです。短くてわかりやすい」
白澤「僕もブラックジャックの最終回は知らないな。あれ結局どうなるの？」
桃太郎・A「…さぁ？」
A「そんな事よりも…さっきから麒麟様に赤いキャンディーを
鳳凰様に青いキャンディーを与え続けてるんですが、なぜ見た目が変わらないんですか？」
ふと見れば、口にろうとを突っ込まれ、キャンディーを直接胃袋に流し込まれている麒麟と鳳凰
桃太郎「何してるんですか!!?」
A「手頃なのがタイミングよく入って来たから、つい」
白澤「麒麟と鳳凰は僕と一緒で1億年以上前からいるし、自分で見た目を変えてるから薬じゃ変わらないよ」
A「なら、薬は失敗してないみたいで良かった」
麒麟「良かったじゃない!!危うく尿から糖がでるところだったぞ!?」
A「すでに頭から湯気が出てますよ」
鳳凰「麒麟は爺臭すぎるからそんな事されるんだよ」
桃太郎「あんたも若すぎて同じ目に合ってただろ？」
A「鳳凰様はついでですが、麒麟様の若い姿が見てみたかったんですよ」
鳳凰「ついでって…。でも、見てみたいな」
白澤「僕も。若くなって見せてよ」
麒麟「…しょうがないな」
20代前後に若返った麒麟様はインテリ系の好青年だった
鳳凰「お前そんなんだったのか!?」
桃太郎「イケメンじゃないですか」
A「初めてナマズ髭のかっこいい人を見ましたよ」
麒麟「ありが…ナマズ髭？」
白澤「いや、ナマズ髭があるから際立ってかっこいいんじゃないの？」
鳳凰「麒麟もかっこいいが、ナマズ髭がいいアクセントになってるんだろ？」
麒麟「ナマズ髭は…ちょっと…」
A「じゃぁナマズ髭を剃ってみたら？」
桃太郎「いや、ナマズ髭が無かったら麒麟様じゃないですよ」
麒麟「お前ら…ナマズ髭って言うの楽しんでるだろ？」
一同は麒麟様を見つめ、静かに頷いた
2014.8.8
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作者名：辰巳 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時：2014年8月5日 15時
