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45.bad end ページ45

Aさんがボロボロになりながら近寄って来たが、私は攻める手を止めてしまった

と言うよりは、手を動かすことが、身動きを取ることが出来なかった

Aさんは痛々しい身体を必死に動かしながらも、優しく微笑んでいたから

「狂っている」

普通ならそう思うはずなのに…なぜだろう?

「ごめんなさい」

そんな謝罪の言葉が脳裏に浮かんだ

Aさんが私に抱きついて最後に言った言葉が私には理解できなかった

問いただそうとすれば、目の前にAさんの姿は無かった

頭が真っ白になるが、座敷童子の泣き声で我に返る

鬼灯「…は?」

閻魔「Aちゃんは現世に帰ったんだよ」

鬼灯「…臨死体験ですか。そんなんで逃げたって、次会った時はただじゃ…」

閻魔「次なんて無いよ。Aちゃんは人工的な不老不死なんだ。
天国にも地獄にも二度と来ることは出来ないよ」

白澤「あ〜…間に合わなかったか…」

桃太郎「白澤様は知ってたんですか?」

白澤「人体実験の被害者だった過去はベルゼブブさんから。
研究所を転々として、被験体を更生させてた事と、
現世にいるAちゃんが見るに耐えない状態なのは閻魔大王から聞いたよ」

鬼灯「…何ですか?それは?現世で被験体が使い物にならないと言ってたのは?」

閻魔「皆幼児化して、孤児施設に行ったり、養子になったりして人生やり直してるよ」

鬼灯「今までの研究の成果と言うのは?」

閻魔「全部自分が被験体となって得たものだよ。Aちゃんは人体実験はしなかったから」

鬼灯「私に今までしてきたことは?」

閻魔「Aちゃんなりの更生プログラムの一つだよ。
自分が親代わりになって、皆を愛してあげたかったんだよ」

鬼灯「だから…最後にあんな事を?…Aさんは…今現世で何を?」

閻魔「人体実験と拷問を受けてるよ。
不老不死ってバレたから、相当酷い事をされているようだけどね」

鬼灯「Aさんを迎えに行くことは?」

閻魔「Aちゃんは犯罪者じゃないんだよ。
今まで何も悪い事をしてないから、地獄から迎えに行くことも出来ない」

白澤「だからと言って天国のものが人を殺めることは無い。
ここに居る方がAちゃんも幸せだったのに…」

鬼灯「じゃぁ…私のせいで…」

Aさんは仲間割れを望まないだろう

だから誰も鬼灯様を責める事は無かった

でも、誰も泣き叫ぶ鬼灯様を慰める事が出来なかった
2014.10.7

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設定タグ:鬼灯の冷徹 , ハンジ? , アニ   
作品ジャンル:ギャグ
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/  
作成日時:2014年8月5日 15時

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