03.鬼灯 ページ3
牛頭さんから困った亡者がいると連絡があった
とりあえず門へ向かうと、鎖で身体を巻かれ拘束されている白衣の女性いて
その女性は尺取虫がはうように身体を動かしており
それから逃げるように牛頭さんと馬頭さんが走り回っていた
A「ぐえっ!!」
とりあえずその女性の上に腰掛けて動きを止める
鬼灯「…何があったんですか？」
牛頭「見苦しい所を…すみません」
馬頭「でも、おかげで助かりました」
牛頭「彼女が連絡した亡者です」
鬼灯「先ほどの状況を見れば、彼女が普通でないのはよくわかりました」
馬頭「普通と言うよりは…異常よね？」
牛頭「私、門番を務めてて初めて死を覚悟したわ」
鬼灯「あなたの名前は？」
A「A。とりあえず重いからおりてよ」
牛頭「鬼灯様気を付けてくださいね!!」
馬頭「決して油断してはいけませんよ!!」
長年門番を続けてきた彼女たちがこれ程警戒するとは…
牛頭さんと馬頭さんに何をしようとしたんだ？
A「ありが…ぐふっ!!」
鎖の端を持ち立ち上がるが、片足でAさんの背中を地面に押し付ける
鬼灯「A？名簿には載っていないですね」
牛頭「じゃぁ…まさか!!」
馬頭「Aさんが天国行き!?」
二人の背景に稲妻が落ちましたが、スルーしてもいいですかね？
鬼灯「記録漏れの可能性も考えられます。
Aさんをこのまま天国行きにして、何か被害があると困るので…
このまま地獄で引き取らせていただきます」
牛頭「はぁ〜」
馬頭「よかった…」
いつものハツラツとした元気はなく、年を取ったように老けて見えた
…本当、何をしようとしたんですか？
鬼灯「ほら。立って自分で歩いて下さい」
A「は〜い。またね牛頭さん馬頭さん」
Aさんは鎖で巻かれた下から手を出して小さく振る
先程の狂気は何処にも無く、なんて良い笑顔をしているんでしょう
素直に歩いてついてくるし、意外と可愛い所があるみたいですね
A「あなたが鬼灯様？」
鬼灯「はい」
A「鬼なんですよね？」
鬼灯「はい」
A「その角はどうなってるの？骨が突起してるの？皮膚との境目ってどうなってるの？神経は通っているの？ぶつけると痛いの？切ってみてもいい？」
可愛い…
それは勘違いだったようです
2014.8.5
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作者名：辰巳 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時：2014年8月5日 15時
