16.飼育教育食育 ページ16
桃太郎「…うっぷ」
白澤「桃タロー君おなかでてる」
A「つわりですか?」
白澤「赤ちゃん生まれるの〜?桃タロー君早く出して」
桃太郎「腹いっぱい食ったんだよ!!誰のせいだ!!誰の!!」
白澤「ひぃ!?…ぅ…ぅぅ…うわぁ〜ん」
A「あ〜ぁ。泣いちゃった」
Aさんは白澤様を抱き上げて背中をさする
桃太郎「え?…あ…嘘」
白澤「ぅぅ〜…ひっぐ…ぅっ」
A「記憶力はそこそこあるからただのマセガキですけど、相手は子供なんですよ?」
桃太郎「すみませんでした」
A「あと桃太郎さん一人で食べなくても誰かにあげればよかったじゃないですか」
桃太郎「あ…」
A「ルリオを独占したい気持ちはよくわかりますけど」
白澤「ル…ルリオ…食べっちゃったの?…うわぁぁぁ〜」
A「また泣かした」
桃太郎「今のはあんたでしょ!!?」
A「私ですか?」
桃太郎「白澤様だってローストチキン食べたから、罪悪感があるんですよ」
A「そうですか…白澤様?私の話が聞けますか?」
Aさんは白澤様を椅子に座らせると、目線を合わせてるようにかがみこんだ
白澤様は目をこすりながらも小さくうなずいた
A「白澤様が食べたのは優秀な神獣のルリオではありません」
白澤「ぐすっ…本当に?」
A「はい。狩りもせずに農家の小屋の中で一日中ダラダラダラダラ過ごし、人から与えられた餌を食べて生きてきた、本能を忘れたただのチキン野郎です」
桃太郎「は!?」
白澤様は泣き止み口をパクパクと動かしている
子供ながらに話を理解し衝撃を受けたのがよくわかります
桃太郎「その説明はないんじゃないですか?鶏だって好きで飼われてるわけじゃないんですし。人間が狩りをしなくていいように繁殖させて飼育しているのが農家ですよね?」
白澤「鶏が…かわいそう」
A「この世は所詮弱肉強食なんです」
白澤様が体を震わせ目に涙を溜めている
A「それは人は植物からでは十分に栄養を取れないからなんです。
命を奪ってでも人は他の動物を食べないと生きていけないんです」
白澤「まだ生きていられたのに…殺しちゃうんでしょ?」
A「肉を肉として見ず、生きていた動物と見ている白澤様は優しい人ですね。
だからこそ"命をいただきます"とちゃんと感謝してあげて下さい」
白澤「うん」
現実を教えてあげているのか
ただの綺麗事なのか
ますますAさんが分からなくなりました
2014.8.19
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作者名:辰巳 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/toshi6411/
作成日時:2014年8月5日 15時